著者
時田 純子
出版者
日本生活体験学習学会
雑誌
生活体験学習研究 (ISSN:13461796)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.59-69, 2001-01-01

本論文は、日々の生活体験を重視し、心と体のたくましい子を育てることを試みた大分県中津市如水保育園の取り組みを報告したものである。本園は、預かるだけの保育園ではなく、子どもをまん中にして、園と親、親同士が共に支え合う場としての保育園を目指すと同時に、1984年から保育のなかに①リズム運動など朝の運動、②雑巾がけ、畑仕事、配膳などの勤労体験、③描画による表現体験、④お泊まり保育や他園との交流保育による共同生活体験など、各種の体験活動を導入し、積極的に体験重視の保育をおこなってきた。また、保育園を中心に子育てに関わる親の学習活動や交流活動を活性化するようにした。その結果、①体力・運動能力のある子が育ってきた、②低体温児がいなくなった、③表現力と集中力が育った、④早寝早起きの子が増えた、⑤テレビの長時間視聴児が減った。