- 著者
-
井上 豊久
- 出版者
- 日本生活体験学習学会
- 雑誌
- 生活体験学習研究 (ISSN:13461796)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.13-28, 2006-03
研究では質問紙調査と重ね合わせ、子どもの生活を変容させることで学びを変容させようという取り組みのモデル事業を実施・検討した。具体的には昼休みを中心とした遊びを充実させることで人間関係づくりの能力や学ぶ意欲を増大させようとしている福岡県F小学校(1学年2クラス)、子どもの生活をメディアとのよりよい関係づくりを基本に変容させていくことで学びも変えていこうという埼玉県A小学校(1学年3クラス)等に関するものである。本研究では最初にテーマの概観を文献研究により行い、次に質問紙調査による学習理解度に関する分析とインタビュー調査による具体的なケース・過程を考察することにより今後の学びの変革への現実的な提案を示した。具体的に検討した内容としては1つは、子どもの生活と学びに関する経緯と課題を明らかにした。2つ目は質問紙調査結果を基に因子分析による総合的考察、学習理解度と子どもの生活意識・自己イメージとのクロス分析から子どもの生活と「学び」の構造を明確にし、最後にインタビュー調査から子どもの生活や学びの変容過程に関する試行的考察を行い、子どもに対する遊びやメディアとの主体的な関係づくりの取り組みの有効性及びその課題を動的に把握した。