- 著者
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田中 俊輔
市川 信一郎
川田 恭裕
池田 正文
峰 正弥
曽我 広志
山口 慶剛
棚町 健彦
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会総合大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.1995, no.1, pp.571-572, 1995-03-27
大型衛星バス技術確立を目的として開発された技術試験衛星VI型(ETS-VI)の姿勢制御系(ACS)は、国産衛星として初めての三軸トランスファ制御等、新しい機能の他、大型太陽電池パドル、大型アンテナ等の柔軟構造物を搭載し、従来衛星以上の高精度化(姿勢制御精度=ロール/ピッチ0.05(deg)、ヨー0.15(deg):3σ)、耐故障性の要求を満たすよう設計・製造され、サブシステム試験、及びシステム試験にて十分に検証されている。ETS-VIは、昨年(平成6年)の8月28日16時50分、H-IIロケット2号機で打ち上げられ、約28分後に計画通り第2段ロケットから分離され「きく6号」と命名された。ETS-VIは分離後、初期太陽捕捉モードにて正常に太陽捕捉、太陽電池パドル部分展開を予定通り実施し、ロール軸回りに0.2(deg/sec)のレートをもったクルージング状態が17時50分に確認された。衛星は、アポジエンジンの不調により、遠地点高度39000km、近地点高度7800km、周期14時間、軌道傾斜角13度という楕円軌道に投入されたが、バス/ミッション系機器のチェックアウトの結果、ACSを含め衛星機能は全て正常に動作していることが確認された。その後、各種通信実験を最大限に実施すべく、軌道上再プログラミング機能により姿勢制御系搭載ソフトウェアを変更して、この楕円軌道上での三軸地球指向制御、ハドル自動太陽追尾、及び通信実験時のアンテナ指向精度を向上させるための姿勢バイアス制御等を実現させた。又、実験の実施が容易になるように、ペリジ高度を700km上げる軌道修正を実施して、3日毎に同一地点の上空を通過する回帰軌道に衛星を乗せた。本報告では、これまでに得られている姿勢制御系フライトデータの速報を中心に報告する。ETS-VIの軌道上コンフィギュレーションを図1に示す。[figure]