著者
井澤 克彦 市川 信一郎 Izawa Katsuhiko Ichikawa Shinichiro
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 = JAXA Research and Development Report (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RR-07-025, 2008-02-29

フライホイールは衛星の姿勢制御に欠くことのできない機器であり、姿勢の喪失は電力、ミッションの喪失に直結することから、フライホイールには非常に高い信頼性が要求される。しかしながらフライホイールに関する重大な不具合がいくつかの衛星プロジェクトの開発段階と軌道上運用段階で発生しているのが現状であり、確実に動作するフライホイールが期待されている。一方、観測衛星をはじめとして、衛星の姿勢・指向制御要求が高精度化し、さらに高速でかつ大きな姿勢変更が求められるなど、フライホイールに対する要求(高出力トルク、振動擾乱の低減など)が近年高度化しつつある。これら高度化要求と前述の高信頼度要求を同時に満足することが求められている。上述背景のもと、宇宙航空研究開発機構では、2001年度より、当時、宇宙3機関(宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団)連携協力事業の一環として、高性能かつ高信頼性の次世代高性能フライホイールに関する研究(次世代玉軸受ホイールの研究、磁気軸受ホイールの研究)をスタートさせ(現在は宇宙航空研究開発機構総合技術研究本部にて研究を継承している)、現在までに中・大型サイズのタイプM/Lの開発を完了している。本資料は宇宙用フライホイールの原理・設計を概説するとともに、高速回転ホイール開発研究で得た技術知見を整理したものである。
著者
田中 俊輔 市川 信一郎 川田 恭裕 池田 正文 峰 正弥 曽我 広志 山口 慶剛 棚町 健彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, pp.571-572, 1995-03-27

大型衛星バス技術確立を目的として開発された技術試験衛星VI型(ETS-VI)の姿勢制御系(ACS)は、国産衛星として初めての三軸トランスファ制御等、新しい機能の他、大型太陽電池パドル、大型アンテナ等の柔軟構造物を搭載し、従来衛星以上の高精度化(姿勢制御精度=ロール/ピッチ0.05(deg)、ヨー0.15(deg):3σ)、耐故障性の要求を満たすよう設計・製造され、サブシステム試験、及びシステム試験にて十分に検証されている。ETS-VIは、昨年(平成6年)の8月28日16時50分、H-IIロケット2号機で打ち上げられ、約28分後に計画通り第2段ロケットから分離され「きく6号」と命名された。ETS-VIは分離後、初期太陽捕捉モードにて正常に太陽捕捉、太陽電池パドル部分展開を予定通り実施し、ロール軸回りに0.2(deg/sec)のレートをもったクルージング状態が17時50分に確認された。衛星は、アポジエンジンの不調により、遠地点高度39000km、近地点高度7800km、周期14時間、軌道傾斜角13度という楕円軌道に投入されたが、バス/ミッション系機器のチェックアウトの結果、ACSを含め衛星機能は全て正常に動作していることが確認された。その後、各種通信実験を最大限に実施すべく、軌道上再プログラミング機能により姿勢制御系搭載ソフトウェアを変更して、この楕円軌道上での三軸地球指向制御、ハドル自動太陽追尾、及び通信実験時のアンテナ指向精度を向上させるための姿勢バイアス制御等を実現させた。又、実験の実施が容易になるように、ペリジ高度を700km上げる軌道修正を実施して、3日毎に同一地点の上空を通過する回帰軌道に衛星を乗せた。本報告では、これまでに得られている姿勢制御系フライトデータの速報を中心に報告する。ETS-VIの軌道上コンフィギュレーションを図1に示す。[figure]