著者
村上 高宏 西山 典宏 會田 雅啓
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
日本歯科理工学会誌 (ISSN:18844421)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.41-48, 2017-01-25 (Released:2017-04-26)
参考文献数
19

本研究では,市販ジルコニア接着システムを用い,プライマーがジルコニア接着に及ぼす影響を検討した.ジルコニア研磨面をセラミックプライマーⅡ,モノボンドプラス,クリアフィルセラミックプライマープラス,トクヤマユニバーサルプライマーにて処理した.プライマー処理ジルコニア面をテトラヒドロフランで洗浄し,水の接触角を測定した.また,プライマー処理したジルコニア研磨面およびサンドブラスト面にレジンセメントを接着させ,圧縮せん断接着強さを測定した.プライマー処理ジルコニア面に対する接触角はプライマー間で異なった.レジンの初期接着強さはジルコニア研磨面にサンドブラスト処理すると上昇し,プライマー処理するとさらに上昇した.しかし,プライマー処理ジルコニア研磨面にレジンを接着させた後サーマルサイクル負荷すると,セラミックプライマーⅡ以外のプライマーは接着強さが低下した.以上の結果から,水の接触角とレジンの初期接着強さとの間には強い相関が認められた.