著者
有田 清子
出版者
東海大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

本研究の目的は、(1)栄養代謝のアセスメントをするための臨床シミュレーション型CAI教材を開発する。(2)開発した教材の評価し、その結果から教材の修正と活用方法を検討するであった。今年度は、教材を作成し千葉県立衛生短期大学看護学科において、看護学科の学生70名を対象にCAI教材を使用した。教材使用後にアンケート調査(N=71)およびインタビュー調査(N=7)をおこなった。アンケー調査項目は、CAIを使用した学習に関連する11項目とした.調査項目で最も平均得点が高かったものは「CAIを使用した学習は楽しかった」であり4.5±0.6であった.また、最も平均得点が低かったのは、「学習した知識を看護実践の場面でどのように活用したらよいかわかった」3.5±0.8であった.インタビュー調査の項目は、「教材のよいところ」「改善したほうがよいとこと」「その他」の質問項目を準備し、半構成面接をおこなった.この結果、教材のよいところとして、質問の仕方がていねいなのでわかりやすい,自分がキーボードに入力しないとすすまないので自分のペースで学習できる,臨床の場面でこんな風に患者さんに質問すればよいのかということがわかった,答えを間違えても何度でもできるところがよいなどがあった.改善した方がよいところとして、自分が戻りたいと思った画面に戻れるようにしてほしい、文字が多く読みにくい部分があった,またその他としては、グループでディスカッションする時間が増えたことにより他の人の考えや意見が聞けてよかった,もっといろいろ調べたいと思った,インターネットなどでこの教材が公開されていれば自分で学習できるなどがあった.以上のことから、(1)臨床シミュレーション型CAIを使用して学習することは自分のペースで学習が進められること,実践のイメージがつきやすいということから楽しく学習できる(2)学習した知識を実践の場面で活用することに関しては限界がある(3)画面の文字の多さを改善すること(4)インターネット上での公開の必要性などが示唆された.今後は、ソフトウェアの修正をおこない、インターネット上で本教材を公開し、学生・教員ともに開発した教材を広く使用できるようにしていく予定である.