著者
服鳥 景子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

研究対象者である高齢者とその家族のほとんどは、事前指定書の考え方に賛同し、書面化に対し肯定的であった。家族機能が良好な場合は高齢者と家族の終末期医療の希望は一致する傾向にあった。しかし、機能不全の家族は一致しない傾向にあった。特に、高齢者とその家族の家族機能に対する認識が相違する場合は、終末期の希望に対するズレが顕著となった。事前指定書書面化への啓発活動モデルの主軸は、対象の年齢・家族背景(信頼する家族)・家族機能・事前指定書に対する認識・終末期医療に対する希望の5項目といえる。今後の課題は、啓発活動モデルの活用とともに、高齢者の終末期医療における意思決定に特化した家族機能アセスメント指標の確立である。