著者
高山 耕二 中西 良孝 朝 魯孟
出版者
鹿児島大學農學部
巻号頁・発行日
no.55, pp.31-36, 2005 (Released:2011-03-05)

ヌビアン種とトカラヤギにおける超音波検査法による早期妊娠診断と、胎齢ごとの胎子器官の発育と胎子胸腰部長(体幹)、頭長、心臓直径を測定した。超音波検査法は胎齢別に経直腸検査法と経腹部検査法を用いて交配から分娩まで行った。交配後23±2日で胎胞がみられ、胎子は胎胞観察後7±2日でみられた。眼窩は交配後6週間にみられた。心臓はそれぞれのヤギで交配後30、40並びに50日でみられ、心室は交配後4ヵ月ごろにみられた。胎子の胸腰部長、頭長、心臓の直径は胎齢の推移に従って増加した。交配後3ヵ月までの胎子頭長の増加、4ヵ月半の胎子胸腰部長の増加が明瞭であった。これらの結果から、ヤギに対する超音波検査法は早期妊娠診断を可能にし、さらに胎子発育のモニターにも有用と思われた。