著者
木下 祥尚
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

局所麻酔薬の作用機序に関して、これまで複数の仮説が提唱されてきた。しかし、いずれの仮説も矛盾を含んでおり、結論は得られていない。近年、申請者らは「麻酔薬はラフトの形成を阻害することで、チャネルが活動する場を奪い、神経伝達を阻害する」というラフトを基盤とした仮説を提唱している。しかし、細胞膜に存在するラフトをありのままに標識することは困難であり、ラフトを指向した研究は立ち遅れたままである。本研究では 申請者らが開発した脂質の分布を高精度で追跡できる蛍光プローブを利用し、麻酔薬が脂質ラフト形成に及ぼす影響を調査する。本実験により、脂質ラフトを基盤とした、麻酔作用発現の機序に関するモデルを提唱する。