著者
中田 光俊 木下 雅史 中嶋 理帆 篠原 治道
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.9, pp.657-667, 2017 (Released:2017-09-26)
参考文献数
61
被引用文献数
2 3

右前頭葉はヒトが社会生活を円滑に営むうえで重要な高次脳機能を有し社会脳として機能する. 右前頭葉の機能は運動機能に加え, 作業記憶, 非言語性意味記憶, 視空間認知, 社会的認知, 注意, 遂行機能を有する. 高次脳機能に関する皮質の機能局在は明確になっておらず広い局在が示されている. 白質神経線維として錐体路, 前頭斜走路, 前頭線条体路, 上縦束, 弓状束, 帯状束, 下前頭後頭束, 鉤状束が存在しそれぞれ運動, 運動開始, 運動統御, 視空間認知, メンタライジング, 注意, 非言語性意味記憶, エピソード記憶を担う. 右前頭葉病変に対して覚醒下手術を行う際には, 皮質の機能局在と白質神経線維の走行を熟知し適切なタスクを選択する必要がある.
著者
中田 光俊 木下 雅史 中嶋 理帆 篠原 治道
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.356-367, 2022 (Released:2022-06-25)
参考文献数
75

高次脳機能とは, 伝達・表現・理解・遂行するためのヒトの高度な機能の総称である. 脳神経外科手術において高次脳機能を温存するためには, その機能局在および関連する神経ネットワークを知ることが必須である. われわれは白質神経線維の走行を理解するためには白質解剖が最も優れた手法であると考える. 高次脳機能を司る上縦束, 下前頭後頭束, 下縦束, 前頭斜走路, 帯状束は白質解剖で剖出できる. 覚醒下手術中に適切なタスクを用いて, これらの神経線維束が担う高次脳機能関連領域を同定することが可能であり, 同部位を傷害しないことで全身麻酔手術では温存し得なかった高次脳機能を意図的に温存できるようになった.
著者
中田 光俊 木下 雅史 中嶋 理帆 篠原 治道
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.9, pp.657-667, 2017
被引用文献数
3

<p> 右前頭葉はヒトが社会生活を円滑に営むうえで重要な高次脳機能を有し社会脳として機能する. 右前頭葉の機能は運動機能に加え, 作業記憶, 非言語性意味記憶, 視空間認知, 社会的認知, 注意, 遂行機能を有する. 高次脳機能に関する皮質の機能局在は明確になっておらず広い局在が示されている. 白質神経線維として錐体路, 前頭斜走路, 前頭線条体路, 上縦束, 弓状束, 帯状束, 下前頭後頭束, 鉤状束が存在しそれぞれ運動, 運動開始, 運動統御, 視空間認知, メンタライジング, 注意, 非言語性意味記憶, エピソード記憶を担う. 右前頭葉病変に対して覚醒下手術を行う際には, 皮質の機能局在と白質神経線維の走行を熟知し適切なタスクを選択する必要がある.</p>