著者
木内 邦明
出版者
奈良県立医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

健忘型軽度認知障害(aMCI)はアルツハイマー型認知症(AD)の前駆段階とされている。aMCIでは拡散テンソル画像(DTI)を用いた研究で認知症発症以前からの白質の異常が報告されている。今回の研究ではaMCIのさらに前駆段階と考えられる主観的認知障害(SCI)についてDTIを用いて検討した。今回対象とした各群は年齢、性別や学歴などをマッチさせたSCI群22例、aMCI群28名、早期AD群27名、コントロール(NC)群27名であった。結果はSCI群においてNC群と比較して後部帯状束で有意なFA低下を認めた。認知症につながるかもしれない早期の変化をSCIにおいて認めた可能性がある。