著者
中畑 和之 木本 和志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.88, pp.1-6, 2011-06-16

超音波探傷において,均質材料中など波動の伝搬経路が容易に推定できる場合には,B,Cスキャンや開口合成法(SAFT)等による欠陥像の映像化が行われている.しかし,局所的に非均質・異方性を有する材料や複雑な形状を持つ界面を介して超音波を送受信する場合には適用が困難である.そこで,本研究ではレイトレースが解析的に難しい材料に対して,イメージベース有限積分法(FIT)を援用した時間反転法による欠陥の映像化を試みる.ここでは,アレイ探触子を用いて全波形サンプリング処理(FSAP)方式によって欠陥エコーを計測し,そのエコーを反転させてイメージベースFITに入力する.時間反転アルゴリズムによって超音波が欠陥に集束する性質を利用して,シミュレーション中の波動場の可視化結果から欠陥の形状を推定する.