著者
野村 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.436, pp.41-46, 2009-02-17

弾性表面波とその応用に関する研究に携わって30年がたった。この節目の年が、丁度著者の定年退職の年と重なった。このときに、これまで行ってきた研究を振り返ってみるもの悪くないと思い、古いことを思い出しながら、弾性表面波のこと、センサのこと等をまとめた。
著者
中鉢 憲賢
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.527, pp.31-34, 1999-12-21
被引用文献数
1

1912年のタイタニック号の海難事故がきっかけとなり超音波計測の研究が本格的にスタートした。とくに、光や電磁波では計測が困難な分野への応用をめざした研究が進められ、材料の弾性的性質の計測や超音波非破壊検査から最近の医用超音波診断装置まで、超音波計測のの発展は目覚ましい。また、戦後の固体物理の研究の進展は超高周波超音波技術の開発を促進し、微小物質の計測のための高分解能化が進み、超音波顕微鏡が開発され、現在では超音波マイクロスペクトロスコピーの研究分野へと発展し、新しい物質材料の研究や、マイクロデバイスの非破壊評価に応用されている。本文では筆者が携わってきた超音波の計測への応用に関して、特に印象に残っているトピックスに関連してレビューしてみたい。
著者
橋本 芳樹 小池 義和 上羽 貞行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.93, no.354, pp.25-32, 1993-11-26
被引用文献数
8

従来の超音波浮揚では、定在波音場を利用した浮揚が多く、浮揚物質の質量はmg〜数mgのごく軽い物質に限られており、その点が実用上のネックとなっている。筆者らは、浮揚される物質の音波を受ける面が平坦であれば、振動板からの音波の放射圧により、材質に関わらず実験的には数Kg〜数十Kgオーダー(10^6倍)の物質の浮揚が可能であり、振動板の近距離で長時間安定して浮揚することを見い出した。本報告では、種々の振動モードに対して、浮揚の基本特性を実験的に測定した結果について報告する。
著者
瀧澤 直樹 秋山 いわき
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.97, no.333, pp.45-50, 1997-10-23
参考文献数
7
被引用文献数
1

本研究では、フェーズドアレイ方式とRadon変換に基づくトモグラフィを組み合わせたパルスエコー方式の超音波トモグラフィについての3次元映像化への可能性を検討したものである。市販の超音波診断装置を利用した実験システムを構築して、鋼球と寒天ゲルによるファントムの3次元映像化を試みた。この超音波診断装置は3.5MHzの電子セクタによるプローブを用いており、スリットによってCT手法の適用を可能とする。また、RFエコーはA/D変換後、計算機に取り込まれ、直交検波によって複素振幅の投影データとした。その結果、従来のBモード画像と比べて分解能の高い良好な再構成画像を得ることができた。
著者
カワン スタント 斎須 善文 奥島 基良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.98, no.71, pp.1-6, 1998-05-22

我々は粉末グラファイトを混入した寒天製擬似生体組織(ファントム)とポリマー系マイクロバブルを混入したファントムを作製し、音響特性と超音波照射による温度上昇の測定を行った。超音波減衰に着目して、超音波照射による温度上昇のメカニズムの検討を行った。ほぼ同等な減衰定数を持つ両方の寒天製ファントムであるが、温度上昇には約2倍の差が生じた。この原因を検討するにあたり、超音波減衰を吸収減衰、散乱減衰に分けて考えた。後方散乱パワーを測定した結果、グラファイト混入ファントムはマイクロバブル混入ファントムより散乱パワーが2倍大きく、その分吸収減衰が小さかったと考えられる。両ファントムの超音波照射による温度上昇の違いは、この点に起因するものと考えられる。
著者
佐藤 正典 岡田 長也 後藤 繁文 松山 正佳 宮地 孝 樋口 正人 中鉢 憲賢
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.87, pp.31-34, 2003-05-21
被引用文献数
1

200Mev電子ビームを水中に照射すると、チェレンコフ光と同時に音の発生が観測される。従来、この音は水中で減速する電子ビームが発生する熱膨張によると考えられていた。水中の光速より速く進む電子はチェレンコフ光を発生し、音速より速く進む電子はゾニックブーム(衝撃波)を出す可能性がある。我々は、球殼状圧電セラミックの音響センサを用いて、この音を観測した。センサの周波数特性を補正すると、受かった波形は1波長のダイポール波形であった。この波形は、熱を音源とする理論解析結果とよく一致するが、衝撃波の波形とも定性的に一致する。量子力学によれば音波の運動量μは、エネルギーεを音速CAで割ったμ=ε/C_Aであり、この表示は相対論表示と同じ形式になる。したがって、チェレンコフ光と同じメカニズム、すなわち衝撃波による音響放射が起こる可能性がある。
著者
藤坂 洋一 中川 誠司 荻田 武史 外池 光雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.606, pp.13-17, 2004-01-21

骨導振動子による呈示では,気導音では可聴帯域外となる20kHz以上の高周波であっても知覚可能であることが知られている.また,高度感音性難聴者においても,骨導可聴音提示では知覚できないが,骨導超音波であれば知覚可能であることが報告されている.我々は重度難聴者のための骨導超音波補聴器の実用化を目指している.実用化を目指すうえで音声の明瞭性が重要となる.これを解決するためには骨導超音波知覚のメカニズムを明らかにしなければならない.知覚メカニズムには幾つかの仮説が存在するが,我々は蝸牛関与説を重視している.知覚メカニズムの解明に向けた第一段階として,本報告では振動子から蝸牛へ至る波動伝搬を数値的に解析し,その特性を観察することとした.
著者
滝口 哲史 石河 睦生 保坂 寛 森田 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.357, pp.19-24, 2007-11-22
被引用文献数
3

非鉛系圧電材料の候補の一つとして有力視されているニオブ酸カリウム(KNbO_3)^<(1)>に注目し、水熱合成法による高品質材料粉末を利用して、KNbO_3及び、マンガンをドープしたKNbO_3-Mnセラミックスを試作した。マンガンをドープすることで、焼結性、圧電性の向上が期待できる。水熱合成法は、水溶液中の化学反応を使用したもので、低温(200℃)、自己集積による合成が特徴である。原料として、K_2CO_3を使わず、KOHを利用するため、吸湿性などの問題を回避できる。径方向共振、及び、厚み方向共振のアドミタンスの測定から、KNbO_3-Mnセラミックスの電気機械結合係数尾k_r、k_tを求めた結果、k_r=11%、k_t=19%であった。
著者
佐藤 正典 藤井 壽崇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.97, no.30, pp.35-42, 1997-04-25
被引用文献数
4

水中における超音波の非線形現象を解析するために、フォノンの概念を用いた。周波数ν波長λの超音波を、エネルギーhν、運動量h/λを持つフォノンの集まりと考え、量子力学的なエネルギーおよび運動量保存則を適用した。超音波の運動量の考え方により音の放射圧および音響流の理解が容易になる。さらにフォノンのエネルギーに関するパラメトリック崩壊のメカニズムは、サブハーモニック、キャビテーション、キャピラリー彼の発生メカニズムをうまく説明できる。これらの非線形現象に関する流体力学的解析とフォノンによる取り扱いはよく一致し、工学的応用に限れば、フォノンを用いる方法は見通しよく有効である。
著者
森田 剛 神田 岳文 保井 秀彦 黒澤 実 樋口 俊郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.98, no.161, pp.31-36, 1998-07-03

水熱合成法は高温高圧のアルカリ条件下の水溶液中でPZT成膜を行うために立体形状基板への成膜が可能であるという利点を持つ。その応用デバイスとして、マイクロ超音波モータ、加振型接触センサ、補聴器用イヤホンの試作を行った。モータは直径1.4mmへの小型化に成功し、最高回転数600rpmであった。加振型接触センサは分解能66nmを実現し、水中での使用の可能性を示した。また、補聴器用イヤホンでは、駆動電圧1.3Vrmsで60dBの音圧発生を測定した。現在単一プロセス水熱合成法にかわる新たな合成プロセスを開発中である。
著者
隈崎 健二 曹 景文 伊藤 貴司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.67, pp.59-63, 2002-05-13

2次高調波エコー信号から生体組織の減衰特性や散乱特性を排除し,2次高調波を引起こす生体組織の音響パラメータを示す非線形パラメータを検出し,画像化する非線形パラメータ・イメージングが秋山らによって提案されている.しかし,広帯域の送信において,エコー信号に含まれる基本波成分と2次高調波成分の周波数帯域が重なっている場合では,両帯域を完全に分離し,精度よく非線形パラメータを検出することは困難である。また散乱特性の排除により,特に強い反射エコーが高輝度で表れないため,組織の構造的表現が乏しい画像となるとの問題点がある.本報告では,鎌倉ら考案の技術を用いて基本波成分と2次高調波成分を個別に検出し,更に強い散乱体の散乱特性をある程度保持させることによって非線形パラメータ・イメージの画質を改善する。
著者
池田 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.345, pp.23-26, 2005-10-13
参考文献数
12

本論文では、VHF帯超音波光回折効果を用いた溶液濃度測定について述べている。駆動超音波周波数には、9MHzPZTトランスジューサーの高調波で生じる30-100MHzを用いた。試料溶液として、0.0-20.0% NaCl溶液と蔗糖溶液を用いた。AOセルで偏向された輝点を距離検出器により、トラッカ電圧V_Tに変換して、溶液濃度を測定した。NaCl溶液のトラッカ電圧感度は、第9高調波94.02MHzで、139.1mV/%となった。蔗糖溶液の感度は、第9高調波94.02MHzで、47.1mV/%となった。この感度は、9-30MHzのRaman-Nath回折を利用した時より、約11.2倍改善された。NaCl溶液の電圧感度の周波数依存性の比例係数は、1.23mV/%MHzを得た。
著者
中村 健太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.42, pp.15-20, 2001-05-08
参考文献数
6
被引用文献数
9

空中強力超音波の音圧を光学的に測定する方法について検討した。空中超音波は疎密波であるので媒質である空気に密度変化を生じているが、これを光の屈折率変化を介して測定する。まず、音圧と空気の屈折率変化の関係を導き、この屈折率変化がレーザドップラ振動計で定量的に検出可能であることを示す。次に、呼吸振動する円環内の定在波音揚とピストン振動面から放射される進行波音揚の両方について、本方式による音圧測定を試みる。その結果、定量的な音圧測定が可能であること、走査型レーザドップラ振動計を利用することで、2次元分布が容易に測定できることを示す。
著者
南 康夫 與儀 剛史 酒井 啓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.345, pp.1-4, 2005-10-13

光ビート分光Brillouin散乱法を用いて熱フォノン共鳴を観察することで固体(溶融石英)及び気体(窒素ガス)の音速を測定した.従来の光ビート分光Brillouin散乱法を用いて超音波吸収係数の小さいサンプルの1〜100MHz域でのBrillouin散乱スペクトルを測定すると, スペクトルの半値半幅は吸収係数により算出される値に比して大きなものとなる.これは光とフォノンの相互作用時間がフォノンの減衰時間に比べて短いことが原因である.そこで熱フォノンを共鳴させ, 共鳴による鋭いスペクトルを測定することで, 周波数分解能が飛躍的に向上した.溶融石英については音速の測定精度が3桁程度向上し, 0.0014%の精度で測定できた.
著者
山之内 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.437, pp.19-24, 2013-02-12

電極/回転Y-XLITaO_3基板、及びSiO_2/電極/回転Y-X LITaO_3基板の擬似弾性表面波の伝搬特性を解析し、金属電極、誘電体膜を付着させることにより、回転角に対するShort、Openでの伝搬減衰が異なること、及びSiO_2膜厚H/λ(H SiO_2膜厚、λ弾性表面波の波長)が020付近において、k2が005以上、界面短絡の場合、伝搬減衰が零,周波数温度特性(TCF)が、零でかつ広い温度範囲で良好な温度特性をもち、かつスプリアス特性の良好な基板が得られた結果について報告する。
著者
仲田 剛 早川 富士男 則武 康行 安藤 重男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.96, no.471, pp.15-22, 1997-01-23

自動車のスピーカシステムの放射音特性は、スピーカ取り付けや内装板などの車室内における物理的要因の影響を受ける。そのためドアに設置されたスピーカの放射音特性を解析により求めるためには、スピーカの直接音と同時に, スピーカ後面の音圧によって加振される内装板等の構造物の振動による放射音を考慮する必要がある。また, ドアはドアパネルとドアトリムの二層構造になっていることを考慮する必要がある。そのため上記ドア構造を考慮したシミュレーションシステムを構築した。シミュレーションの手法として, 振動解析と音響解析には汎用FEMプログラムを用いた。FEM解析の結果を元に, ドア放射音特性を算出する。今回、自動車のドア形状を用いて、シミュレーションを行ったのでその結果を報告する。
著者
三浦 聡一郎 塚田 隆裕 野村 英之 鎌倉 友男 谷嵜 徹也 上田 浩次 宇佐見 順二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.387, pp.53-57, 2013-01-17

降雪や路面凍結によるスリップ事故は絶えることがない.これを防ぐために冬タイヤ規制が各路面で展開されているが,人員による目視判断によって行われているため,作業員の肉体的負担に伴う誤判定,車両の一時停車による渋滞等が発生している.そこで,我々は車両走行時にタイヤ/路面の接触に伴って発生する路面振動を収集し,周波数解析などから夏/冬タイヤの判別を行った.この結果,両タイヤの識別が可能という指針を得た.
著者
新家 富雄 鴨志田 隆 市川 光太郎 三田村 啓理 荒井 修亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.191, pp.11-16, 2011-08-23
被引用文献数
1

目視調査が難しい魚類の行動を知る手法として,魚に取り付けた超音波ピンガーが発信する信号からその存在や位置を求めるバイオテレメトリーがある.これまでのバイオテレメトリーシステムは異なる周波数のピンガーを連続的に追跡できなかった.本稿では複数台のステレオ式自動水中音録音装置(AUSOMS version 3.0)用いたバイオテレメトリーシステムを提案する.システムを構成するAUSOMS version 3.0は,超音波ピンガー信号の帯域(60〜84kHz)を低周波帯域(0〜24kHz)に変換し,14.4日間の連続録音ができる.2011年5月,広島県生野島において,提案するシステムを用いて10尾のアカメバルを同時に連続7日間,高精度にモニターすることに成功した.
著者
疋田 真 大庭 直樹 今村 三郎 クディエル カクラウス 有本 好徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.167, pp.1-6, 1999-07-09
被引用文献数
3

Gbps級の宇宙光通信用に, 衛星から送信されたレーザ光を受光する部品として, 積層型ポリマ導波路を作製した。導波路は, マルチモード2個, シングルモード1個, マルチモード2個と, 3層構造で5個の導波路を有する構造であり, コアにはPMMAを, クラッドにはUV硬化エポキシ樹脂を用いた。受光面と反対側端面は, 5個の導波路全てが光ファイバとピッグテール接続されている。この素子の挿入損失を測定したところ, 1.55μmで1dB程度と低損失であった。
著者
小林 賢知
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.95, no.478, pp.53-60, 1996-01-25
被引用文献数
3

東京ガスの検針業務は, 検針員が各メータの読み値をハンドヘルドコンピュータに入力している. また, 通信機能のついた, マイコン内蔵ガスメータが開発され,ー部のお客様で電話回線を介して, 自動検針及び付加サービスが行われはじめた. しかし, 既築の集合住宅では, パイプシャフト内に設置されるガスメータから電話回線までの配線工事が困難な例が多く, 対策を検討している. 本論文では, 集合住宅の自動検針及び付加サービスにガス管内音響通信を利用できるかを, 管内の伝搬音の減衰, 管内の騒音レベル, 管内に放出できる音圧から検討した. その結果, 自動検針については15階建て8竪管程度の大規模集合住宅までは, 基地局1力所で1棟の全てのガスメータをカバーできる可能性があることを明らかにした. 即時性の必要な付加サービスについても, 設置場所を工夫すれば利用できる可能性があることを明らかにした.