著者
石橋 英二 金野 隆光 木本 英照
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.664-668, 1992-12-05
被引用文献数
10

水田土壌におけるコーティング肥料(LP 140, LP100, LPS 140, U-L)からの窒素溶出パターンについて反応速度論から導かれる温度変換日数法を用いて解析した.その結果,コーティング肥料の溶出は一次反応式で説明でき,五つの特性地(溶出速度,溶出速度の温度依存性,誘導期,誘導期の温度依存性,最大溶出率)を用いて,予測できることを明らかにした.1)反応式:コーティング肥料からの窒素溶出は次の一次反応式にしたがった.[chemical formula] ただし,k : 溶出速度定数(d^<-1>),TAU : 窒素が溶出を開始するまでの期間(誘導期),TAU_1 : 溶出開始までに要する期間のうち温度に無関係な部分,TAU_2 : 溶出開始までの期間のうち温度に依存する部分,A : 最大溶出率.2)溶出速度:溶出速度定数は0.0177〜0.0326(25℃,d^<-1>)で土壌窒素の無機化速度の2〜5倍であった.3)溶出速度の温度依存性:溶出速度に関わる見かけの活性化エネルギーは69,900〜98,000 Jmol^<-1>であり,土壌窒素の無機化と同等の温度反応性を示した.4)誘導期および誘導期の温度依存性:誘導期には温度に依存しない誘導期(TAU_1)と温度に依存する誘導期(TAU_2)があり,LP 140はおのおの10.9日,0.0日であり,LP 100は8.0日,0.0日,LPS 140は12.2日,26.4日,U-Lは0.0日,26.2日であった.また,TAU_2の見かけの活性化エネルギーはLPS 140で114,300 J mol^<-1>,U-Lでは126,800 J mol^<-1>であった.5)最大溶出率:最大溶出率はLP 140,LP100,LPS140では100%で,U-Lは90%であった.