著者
木村 和孝 皆川 輝彦 森田 真理 長谷部 行健
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.2106-2110, 2016 (Released:2017-02-28)
参考文献数
16

症例は79歳,女性.現病歴:BMI36と肥満のある患者.排便をしようといきんだところ,右側臍部から便が出たとのことで,近医を受診し入院加療,手術目的に当院紹介となった.臍部に手拳大の膨隆を認め,一部皮膚壊死を起こした部位より便汁の流出が認められた.腹部CT上,臍部にヘルニアを認め,ヘルニア門は35×80mm,ヘルニア内容は小腸,大腸,および大網で,ヘルニア嚢内にfree airを認めた.ヘルニア嵌頓に伴う消化管穿孔の診断にて手術となった.手術は皮膚瘻の創を延長するように正中切開を行った.ヘルニア嚢を皮下より全周性に剥離し,開放すると大網がヘルニア嚢に癒着しており,大網の間隙から横行結腸が脱出し嵌頓,穿孔していた.小腸は虚血の所見なく,臍ヘルニア自体による絞扼は認めなかった.穿孔部位を切除し,end GIAを用いてfunctional end-to-endにて吻合した.汚染創であるためメッシュは用いず,単閉鎖にてヘルニア修復とした.術後経過は良好で20病日目に退院となった.