著者
林 成忠 木村 喜保 呉 啓変 米良 豊常 西原 達次 野口 俊英 木下 四郎 加藤 一男
出版者
JAPANESE SOCIETY OF PERIODONTOLOGY
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.919-935, 1983
被引用文献数
7 1

アパタイト (Hydroxyapatite Ceramic) を歯周治療に応用する可能性を調べるために, 外科的に形成したサルの3壁性歯槽骨欠損に, 粒子 (1) 600μ以上 (2) 100-400μ (3) 10μ3種類の大きさのアパタイトをそれぞれ移植し, 臨床的ならびに組織学的に観察した。その結果, (1) 臨床的には, 異常な炎症は認められなかった。また, 規格X線写真によると, アパタイトは殆ど骨欠損にとどまっており, 排出される徴候が認められなかった。(2) 組織学的には, 粒子600μ以上および粒子100-400μのアパタイトを移植した部位では, 一部アパタイトは直接に新生骨に接している像が観察された。これはアパタイトの骨親和性が高い事を証明している。以上より, アパタイトは歯槽骨欠損部の人工移植材として, 使用しうる材料であると思われる。