著者
木村 宜克
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.12, pp.827-839, 2015 (Released:2018-05-23)

近年日本酒の輸出が伸びているのは明るいニュースである一方,国内市場の縮小は続くと考えられる。特に地方において人口減少,首都圏への人材流出が進む中,地域経済・社会・自然環境の持続可能性を確保するためには,蔵元だけではなく,農家,卸小売りなどの流通,料飲店,地域の農水産品による食品加工業に加え陶磁器・漆器などの伝統工芸や観光と幅広い産業のネットワークによる地域ブランド化を総合的に考え,付加価値を向上させていく必要がある。当調査では,消費者アンケート分析,蔵元向けアンケート分析,ヒアリング調査の結果を踏まえて中国地方における日本酒ブランド確立と消費拡大につなげる方策について提言を行っている。