著者
木村 正統 横山 一彦 中村 國衛 糸満 盛憲
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.24-29, 1996-02-29
被引用文献数
1

骨格筋における虚血再灌流後のO^-_2発生量の変化を観察する目的で,家兎温虚血後再灌流モデルを用いて,O^-_2発生量を測定し検討した。15羽の家兎後肢を各5羽ずつ2時間,4時間,6時間の血流遮断後,再灌流を行い,経時的に局所静脈血中のO^-_2発生量を測定した。血流遮断を行わない5羽をコントロール群とした。Superoxide Index(SI:再灌流後値/再灌流前値)をO^-_2発生量の指標とした。各虚血群とも,SI値は再灌流後5分にて有意に高値を示し,再灌流後のすべてのSI値は再灌流前より有意に高値を示したが,その後の経時的変化には有意な差は見られなかった。各虚血群間の比較では,経過時間別,各個体の最大SI値(MSI),全SI値の平均(ASI)のいずれの比較においても,各虚血群はコントロール群より有意に高値を示し,4時間は2時間より高値で,6時間は2時間と4時間より高値であった。虚血再灌流後O^-_2は初期より増加し,虚血時間が長くなるほど多くのO^-_2が発生することが観察された。