著者
松林 公蔵 木村 茂昭 岩崎 智子 濱田 富男 奥宮 清人 藤沢 道子 竹内 克介 河本 昭子 小澤 利男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.29, no.11, pp.811-816, 1992-11-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
10
被引用文献数
12 14

老年者の quality of life (QOL) の一端を, 客観的に評価する目的で, Visual Analogue Scale による (「主観的幸福度スケール」) Visual Analogue Scale of Happiness (“VAS-H”) を考案し, 地域在住の後期老年者を対象に, すでに確立されているうつ評価法との関係を検討した.“VAS-H”は, 同時に施行した標準的 Geriatric Depression Scale ならびに, 同じ被験者に一年前に行った Zung の自己評価抑うつ尺度 (SDS) とも有意の相関を示した. 以上より, 老年者の日常の主観的幸福観を評価する本法は, 情緒やうつ状態を一定程度反映していると考えられた. 本法はQOLの一端を評価するための簡便な方法と考えられる.