著者
小屋岡 剛一 木梨 潤也 遠藤 勉 岡田 直之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.221-222, 1992-09-28

文章生成は非言語的な世界を言語記号の世界に対応付ける過程とみなされるが,この非言語的な世界をどのレベルで捉え,どのように表現するかということが問題になる.筆者らは,イソップ物語の「きつねとぶどう」を素材とし,物語・背景となっている主人公の認識・思考・行動過程を問題解決手法で捉え,それに沿って物語を生成しようと試みている.本研究の目的は,この主人公の複雑で多岐に渡る心の動きをどの様に表現し,その中から文章生成のための言語情報をいかにして抽出するかについて考察し,実際に文章生成システムを構成することにより機械処理の立場から心理的活動と自然言語の結びつきを明らかにしようとすることである.本稿では,研究の背景を概観するとともに,テキスト構造を考慮した物語情報の抽出法について述べる.