- 著者
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松本 健
木羽 敏泰
- 出版者
- 公益社団法人 日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.1, pp.12-16, 1981-01-05 (Released:2009-06-19)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
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100ml分液漏斗に1M塩化アンモニウム-炭酸アンモニウム-アンモニア水溶液(pH10)50mlを入れ,窒素を通じ脱酸素してから,金属銅試料を加え振り混ぜると,酸化銅(I)と酸化銅(II)はアンミン錯イオンとなって溶解し,金属は溶けないで残る.水溶液について銅の量を原子吸光法で定量すれば,酸化銅(I)と酸化銅(II)の合量が求められる.一方,水溶液について窒素ふん囲気の下でバソクプロイン-クロロホルム抽出した後,銅を比色定量して酸化銅(I)の量を求める.酸化銅(II)は酸化銅(I)と酸化銅(II)の合量から酸化銅(1)を差し引いて算出した.本法は精度が高く,金属銅表面の酸化銅(I)と酸化銅(II)とを簡単迅速に分別定量できる.