著者
兒玉 吏弘 松本 裕美 川上 健二 井上 仁 兒玉 慶司 木許 かんな 坪内 優太 原田 太樹 原田 拓也 片岡 晶志 津村 弘
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1298, 2015 (Released:2015-04-30)

【目的】頚椎症性脊髄症(CSM)患者の中に呼吸機能障害を呈する患者はどの位いるのか調査すること【方法】2009年4月から2011年3月までの期間にCSMと診断され,当院整形外科で手術を施行された70例(男性42例,女性28例,平均年齢70.8歳)を対象とした。年齢をマッチングさせた変形性膝関節症患者を比較対照群とし,2012年8月から2014年6月までに変形性膝関節症と診断され手術目的で入院した患者66例(男性11例,女性55例,平均年齢70.2歳)を検討した。いずれも後方視的にカルテより情報を抽出した。呼吸機能は肺活量,努力性肺活量,1秒量を測定した。CSMの重症度の評価は日本整形外科学会の頚髄症治療判定基準(JOAスコア)とBathel Indexを用いた。【結果と考察】CSM群の%肺活量と%努力性肺活量は,膝OA群と比べ有意に低下していた。換気障害の分類は,CSM群と膝OA群では,正常61%と85%,拘束性換気障害33%と3%,閉塞性換気障害3%と12%,混合性換気障害3%と0%であった。CSM患者のJOAスコアの平均は9.2点/17点満点,Bathel Indexは75.2点であった。膝OA群のBathel Indexの平均は95.5点であった。CSM患者の%肺活量はJOAスコア及びBathel Indexとの正の相関(r=0.43/r=0.68)を認めた。一方,膝OA群では,肺機能とBathel Indexとの間に相関関係は認めなかった。今回の結果より,JOAスコアが低く日常生活における介助を要しているCSM患者は非顕在性に%肺活量が低下している可能性があり,呼吸器合併症予防として診断早期からの呼吸理学療法が必要と考えた。