著者
岩本 テルヨ 田中 愛子 小田 日出子 梶原 江美 小野 聡子 末光 順子
出版者
西南女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、看護師の日常の看護ケアに潜む「やわらかい暴力」の顕在化を目的に、入院経験のある53名と看護師19名を対象に看護師の対応に関する思いや考え方について語ってもらい、質的帰納的に分析した。入院経験者は傷つけられた、不愉快等の対応として、看護師としての【節度がなく上から目線】、一人一人に配慮しない【組織優先で、決まりきった対応】や【気持を配慮しない】関わり、【未熟な技術】、看護師からの【言葉や説明がない】ことをあげた。さらに看護師の【関わりが少ない】状況で、看護師が【ニーズに気づかない】ために自分でなんとかするしかないとの思いを抱いていた。これらのカテゴリーは看護師自身がよくないと考える対応とほぼ重なり合っており「やわらかい暴力」の具体が示唆された。