- 著者
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末廣 浩一
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.4, pp.496-503, 2018-07-15 (Released:2018-08-29)
- 被引用文献数
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中等度リスクの症例は手術数全体の40%程度を占めると推定されている.これらの症例ではハイリスクなものと比較して重症合併症は少ないものの,約30%に何らかの術後合併症が生じていることが報告されている.Goal-directed therapy(GDT)は術後合併症を軽減し,予後を改善する可能性が示唆されているが,GDTの適用率は本邦においても低いのが現状である.本邦におけるGDTの低施行率の理由としては,GDTのエビデンスレベル,GDTプロトコールの複雑さや多様性などの問題点が挙げられる.本稿ではGDTプロトコールを中心に低侵襲血行動態モニターを使用した輸液管理について考察し,GDTプロトコールの問題点を解決する可能性がある自動輸液負荷システムについて概説を行う.