著者
末松 美智子
出版者
群馬大学
雑誌
群馬大学社会情報学部研究論集 (ISSN:13468812)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.15-23, 2003-03-31

1980年以来、蜷川幸雄は日本を代表するシェイクスピア作品の演出家として世界的な成果をあげてきた。中でも、1980年の『マクベス』は、独特な蜷川スタイルを確立し、初めて海外公演を成功させた作品として特に注目に値する。2001年、蜷川は新たな演出スタイルで、再び『マクベス』上演を試みた。本論では、この2つの上演作品を細かに分析し、両作品の共通点、相違点を明らかにした上で、世界的な演劇状況における、蜷川を含めた日本のシェイクスピアの可能性を検討する。