著者
安倍 優子 本多 ふく代
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.23-33, 2010-03

本研究は,宮城県内の小・中・特別支援学校675 校の特別支援教育コーディネーターを対象にアンケート調査を実施し,知識の差を,特別支援教育に関連する免許状を所持している群と所持していない群で区分し,医療関連職の認知度,利用度,外部機関へのニーズ等に影響を与えているかについて検討した(回収率50.0%,354 名)。認知度で違いを認めたのは,PT,OT,ST であった。利用度は,医師,看護師,保健師,PT,OT,ST で免許あり群で高く,両群で認知度・利用度共に高かったのは,臨床心理士であった。両群とも「障害のある児童生徒の対応方法」を求めており,免許なし群では知識も求める割合が高く,両群とも6割が地域の特別支援学校との関わりを持っていた。コーディネーターは知識の差でその連携や調整に違いが生じており,特別支援教育の中心となるコーディネーターの他職種への理解を深める方策を検討する必要性が示唆された。