著者
阿部 玄治 平山 和哉
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.3-8, 2022-03-31

本学理学療法学専攻では,2020年度より将来スポーツ分野での活躍を志望する学生を集めてスポーツサポートチームを創設し,2021 年度より活動の一環としてフェンシング部のサポートを行っている.本稿では,スポーツサポートチーム創設の経緯,フェンシング部へのサポートに対する準備や,選手へのフィジカルトレーニングの指導・提案,またメディカルチェックの概要について述べる.今後の課題としては,フェンシングの競技特性を十分に理解し外傷・障害予防に役立てること,本専攻学生の継続的な関わりを提供するための環境を整える必要性があげられる.
著者
高橋 純平 鈴木 博人 古舘 裕希
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.29-33, 2013-12-20

本研究の目的は,寒冷療法とスタティックストレッチングならびにその併用による介入がハムストリングスの伸張性に及ぼす即時的な影響を明らかにすることである。対象は健常大学生36 名とした。対象者を,コントロール群,寒冷療法群,スタティックストレッチング群,寒冷療法・ストレッチング併用群の4 群に分け,介入後の関節可動域を比較した。その結果,寒冷療法群,スタティックストレッチング群とコントロール群では有意差は認められなかったが,寒冷療法・ストレッチング併用群との比較では有意に関節可動域が大きくなった。これは,寒冷療法により疼痛閾値が上がり,なおかつストレッチングによる筋粘弾性低下防止の効果のために,関節可動域の拡大がみられたのではないかと推察された。
著者
長井 真弓 釼明 佳代子 桂 理江子 小野部 純 小林 武
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.33-39, 2022-03-31

2020年度の一般企業による新規卒業者採用は,COVID-19感染拡大の影響を受け,採用時期が例年よりも遅かった.しかし,理学療法学生の就職活動状況に変化があったのかは不明である.そこで,学生の就職活動状況と養成校に届いた求人件数を2019年度と比較した.2019年度と2020年度に東北文化学園大学理学療法学専攻に4年次生として在籍し,アンケートに回答した95名のデータを分析した.2019年度,2020年度ともに95%以上の学生が医療機関から内定を得ていた.2020年度の内定月の最頻値は2019年度よりも1ヶ月遅く,第一希望施設から内定を得た学生割合も2020 年度の方が少なかった.求人件数についても2020年度は,2019年度よりも約80件少なかった.内定時期が1ヶ月遅かったことと第一希望施設から内定を得られなかった学生が多かったことは,緊急事態宣言などの影響により早期に募集定員が満たされたことも原因と推察され,2020年度の就職活動状況は少なからずCOVID-19による影響を受けたと考えられる.
著者
長井 真弓 桂 理江子 鈴木 誠
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.27-31, 2022-03-31

2013年度より我々は,主に重複障害を有する児童生徒が通う支援学校にて,外部支援専門員として継続的な活動を行ってきた.しかし,重複障害の児童生徒に関わる教員が,理学療法士に対してどのような支援を求めているかは検討されていない.そこで,支援学校教員を対象に理学療法士に対する支援ニーズの把握を目的にアンケート調査を実施したので報告する.アンケート結果から,支援学校の教員は,下肢の身体機能面に関する助言が有用と感じていた.また研修会など情報共有の場の確保,理学療法士の積極的な活用を望んでいた.今後の活動では,児童生徒の教育に活かせるように支援するためにも,理学療法士からの一方的な支援ではなく,相互理解が進む方法を検討する必要があると考えられた.
著者
安倍 優子 本多 ふく代
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.23-33, 2010-03

本研究は,宮城県内の小・中・特別支援学校675 校の特別支援教育コーディネーターを対象にアンケート調査を実施し,知識の差を,特別支援教育に関連する免許状を所持している群と所持していない群で区分し,医療関連職の認知度,利用度,外部機関へのニーズ等に影響を与えているかについて検討した(回収率50.0%,354 名)。認知度で違いを認めたのは,PT,OT,ST であった。利用度は,医師,看護師,保健師,PT,OT,ST で免許あり群で高く,両群で認知度・利用度共に高かったのは,臨床心理士であった。両群とも「障害のある児童生徒の対応方法」を求めており,免許なし群では知識も求める割合が高く,両群とも6割が地域の特別支援学校との関わりを持っていた。コーディネーターは知識の差でその連携や調整に違いが生じており,特別支援教育の中心となるコーディネーターの他職種への理解を深める方策を検討する必要性が示唆された。
著者
阿部 玄治 髙橋 一揮 釼明 佳代子
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.19-26, 2021-03-31

GPAは多くの大学で用いられている学修到達度の成績評価方法であり,本学においては平成26年より採用している.本研究では本学理学療法学専攻における4年間の学期ごとのGPAの推移および国家試験の得点との関係性を調査した.その結果,理学療法学専攻学生におけるGPAは学期間で有意な変化をみとめ,特に2年次後期と3年次前期のGPAは他学期に比べて有意に低かった.これは学年があがるにつれて専門科目の割合が多くなり,学生にとっては学修到達度への到達難易度があがるためと考えられる.また全ての学期のGPAと国家試験の得点に有意な正の相関を認めたことは,国家試験の得向上にむけて1年次からのGPAを用いた学生指導が有効であることを示唆している.
著者
鈴木 誠 鈴木 博人 阿部 玄治 平山 和哉 長井 真弓 釼明 佳代子 小野部 純
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-18, 2021-03-31

2017年,本学は地域連携事業の推進を目的に,宮城県東松島市と包括連携協定を結び双方の資源を活用した地域振興・教育・研究の各分野における実践的取り組みを開始した.そこで本論では,本学理学療法学専攻と中学校とで行ってきた中学生の体力向上と運動器障害予防の取り組みについて紹介をするとともに,今後の展開について方向性を明らかにすることを目的とする.主な取り組みは,1)運動能力テストの実施,2)講話・ストレッチ講習会の開催,3)体力向上・運動器障害予防に向けた啓蒙活動,4)保健体育授業・部活動の支援,であった.今回の取り組みのように,中学生に支援が行えたことは体力向上や運動器障害予防の観点からは大変有効であったと考えられる.また,取り組みに携わった学生の成長も大きな成果であったと言える.今後も中学校との協力体制を深めて行きながら,更なる充実した取り組みを企画し,発展させていきたいと考えている.
著者
浅野 朝秋 石川 隆志
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.13-22, 2011-03

認知症者に対する視覚認知課題を用いたリハビリテーションに関する先行研究では,重度者に関する報告は少ない。これは,重度者に対して適切な難易度の課題を設定することが困難なことも一因と考えられる。本研究ではワニワニパニックRT(RT)は重度者でも実行可能な課題ではないかと考え,アルツハイマー型認知症者および非認知症の高齢者各10 名に対し,週1~2 回の頻度で計24 回実施した。結果,HDS-R 各項目および模写課題成績に有意な変化は無かったものの,重度者においても課題遂行自体は可能になり,実験に対する経験の有無を問う質問にも正しく解答できる傾向が認められた。またRT 得点とHDS-R 得点間には有意な正の強い相関を認め,中軽度者のRT 得点は有意に増加し最終的に非認知症者に接近したのに対し,重度者におけるRT 得点は微増に留まり有意差はみられず,反応時間短縮・手続き記憶形成に関する注意およびWorking Memory の関連が示唆された。