- 著者
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吉沢 茂弘
本多 宏子
漆原 誠
中村 仲
- 出版者
- 日本体力医学会
- 雑誌
- 体力科學 (ISSN:0039906X)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.4, pp.243-255, 1990-08-01
- 被引用文献数
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5〜6歳の男児12名をE群とし、3〜4mmol・l^<-1>に相当するHRが少なくとも連続的に3〜4分間維持される約915mの持久走を1日1回(日曜日を除く)6ヶ月間実施したところ、水平に固定されたトレッドミル走行の漸増負荷の測定において次のような変化が見られた。200beats・min^<-1>を上回る最大努力時のV^^・o_2 max/TBWはトレーニング期間前の47.5ml・kg^<-1>・min^<-1>からトレーニング期間後の50.4ml・kg^<-1>・min^<-1>へ、またpeakLA5.41mmol・l^<-1>から6.39mmol・l^<-1>へとともに有意に(p &glt; 0.05)増加した。またVmaxも走行動作の改善も加わり190.0m・minl^<-1>から205.0m・min・l^<-1>へと有意に(p &glt; 0.001)増大した。しかし最大下の4mmol・l^<-1>及び3mmol・l^<-1>に相当するこれらの変量には全く有意差が認められなかった。他方、7名の同年齢男児のC群においては、最大努力時及び最大下負荷時のすべての変量においてトレーニング期間前後の間に有意差は認められなかった。このように、E群の最大努力時にみられた効果は、幼児においても呼吸循環系にTrainabilityが存在することを示唆している。また持久走トレーニングが走行動作の効率の改善に大きく関与していることがわかった。