著者
星 秋夫 稲葉 裕
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.85-92, 2002-02-01
参考文献数
24
被引用文献数
12 4

本研究では近年13年間 (1986~1998) における学校管理下での体育・スポーツ活動中における外因性死亡の発生状況について検討し, 以下のような結果を得た.<BR>1) 過去13年間における外因性死亡事故の発生は295件, 年平均22.7件であり, 全体の約52%が外傷によるものであった.いずれの外因においても女子より男子での死亡件数が多かった.<BR>2) 外傷, 熱中症はそれぞれ進学するにしたがって増加するが, 溺水は各学校で同様に発生した.高校において, 外傷と熱中症の発生は高学年時よりも低学年時で高い傾向にあった.<BR>3) 外傷, 熱中症においては大部分が運動部活動時に発生したが, 溺水では大部分が体育授業時に発生した.<BR>4) 外傷の発生は柔道が最も多く, 以下ラグビー, 野球等であった.溺水は水泳であり, 熱中症は野球, サッカー, 柔道等であった.また, 外傷による死因は約74%が頭部外傷による死亡であった.<BR>5) ICD-10による分類において, 外傷で最も多かったのは投げられ, 投げ出されまたは落下する物体による打撲 (W20) 54件であり, 以下スポーツ用具との衝突または打撲 (W21) 33件, 他人との衝突 (W51) 20件等であった.溺水では水泳プール内での溺死および溺水 (W67) 49件等, 熱中症は自然の過度の高温への暴露 (X30) 69件であった.<BR>6) 外傷による死因で最も多い柔道における外因の大部分はW20であった.また, ラグビー, アメリカンフットボールの大半はW51, 野球, サッカーの大半はW21であった.<BR>以上のことから, 発生事例の多い運動種目においては発生防止に対して十分に注意を払うとともに, 基礎練習の充実等, 予防策を講ずる必要がある.
著者
水田 拓道 植屋 清見 日丸 哲也 永田 晟 山本 高司
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.100-107, 1975-09-01
被引用文献数
1

目的に応じたサウナ入浴をするための一つの条件として,サウナ入浴時間が生体におよぼす影響というかたちで,主に運動機能的な面からサウナ入浴前後,および入浴中の変化について比較検討した。本実験の結果からサウナの効果的利用法について次のような示唆が得られた。1. アンケート調査の結果,サウナ入浴時間においては5分単位の入浴を繰返している者が最とも多く60%余りをしめていた。また,95%の者がなんらかの形で冷水浴を併用していた。2. 全身反応時問,膝蓋腱反射閾値,垂直跳ぴにおけるジャンプパワー等,筋神経系の関係する機能においては,5分入浴,1分冷水浴で3回繰返し入浴法が,入浴前に比べてよい成緒を示し効果的であることがわかった。このことから,経験的に得た5分単位の入浴法が,疲労回復,気分転換等に効果的であることが裏付けられた。3. 血圧,心拍数,皮膚温の変化には設定パターンによる著明な差異は認められなかった。しかし,いずれのパターンにおいても循環機能への有効な刺激として考察され,長期にわたる利用によって環境温の変化に対する適応能を高める効果が期待される。4. サウナ入浴中の酸素摂取量は安静時に比して,パターン(1)が23.2%,パターン(2)が31.6%それぞれ増加した。エネルギー代謝促進の面からは少し長い入浴時間が必要と考えられる。
著者
大野 政人 野坂 和則
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 = JAPANESE JOURNAL OF PHYSICAL FITNESS AND SPORTS MEDICINE (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.131-140, 2004-02-01
参考文献数
23
被引用文献数
3

運動誘発性筋痙攣の要因として, 筋疲労や脱水などが挙げられているが, その発現メカニズムの詳細は明らかでない.そこで本研究では, 筋痙攣の生じやすさを調べる「筋痙攣テスト」を考案し, その妥当性について検証すると共に, それらを用いて, 筋痙攣に対する筋疲労および脱水の影響を明らかにする事を目的とした.20名に対して筋痙攣テストを行った結果, 普段, 筋痙攣が起こりやすい全員に筋痙攣が誘発され, 筋痙攣の経験がほとんど無い者には誘発されなかった.よって, 筋痙攣テストにより筋痙攣の起こりやすさをスクリーニングできると考えられる.100回の膝関節屈曲運動後に, 主働筋である運動肢のハムストリングスで筋痙攣は誘発されにくくなり, 運動肢の足底の筋群では筋痙攣が生じやすくなった.従って, 運動によって筋痙攣の誘発率は高まるが, 筋疲労がその要因である可能性は低いと考えられる.また, 体重の3%に相当する脱水によって, 足底の筋群で筋痙攣が生じやすくなった.脱水が筋痙攣の要因である可能性は高いと考えられるが, その詳細なメカニズムは今後の検討課題である.
著者
金尾 洋治 勝田 茂
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.311-319, 1983-12-01
被引用文献数
1 2 3

Specifically designed programs of sprint and endurance running were used to comparison of each training effect on muscle fibers and those of capillary supply. Wistar strain male rats (42 days after birth) were trained by treadmill for 10 weeks. The gastrocnemius muscle were histochemically studied. The results obtained were summarized as follows : 1) The body and muscle weight of the rats in both training groups were significantly smaller than those of the control group. 2) The sprint training caused hypertrophy of muscle fiber, but the endurance training did not. 3) The endurance training group showed the higher value in the number of capillaries per fiber (CF ratio), per mm^2 (CD), around each fiber type (CC) than control group. And the endurance training group showed the lower value in the distance of diffusion than sprint training group and control group. 4) The sprint training group showed the higher value in CF ratio and CC than control group, but not so high as endurance training group. These results suggest that training effects are specific to the type of training program used.
著者
平井 雄介 田畑 泉
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.495-502, 1996-10-01
参考文献数
22
被引用文献数
1 6

This study examined the effects of (1) an intermittent training using a mechanically braked cycle ergometer and (2) resistance training using free weight on the maximal oxygen deficit and VO<SUB>2</SUB>max. For the first 6 weeks, six subjects trained using an intermittent training protocol five days per week. The exhaustive intermittent training consisted of seven to eight sets of 20 s exercise at anintensity of about 170% of VO<SUB>2</SUB>max with a 10 s rest between each bout. After the training, the maximal oxygen deficit increased significantly from 64.3&plusmn;5.0 ml&sdot;kg<SUP>-1</SUP> to 75.1&plusmn;5.7 ml&sdot;kg<SUP>-1</SUP> (p<0.01), while VO<SUB>2</SUB>max increased from 52.0&plusmn;2.7 ml&sdot;kg<SUP>-1</SUP>&sdot;min<SUP>-1</SUP> to 57.6&plusmn;2.9 ml&sdot;kg<SUP>-1</SUP>&sdot;min<SUP>-1</SUP> (p<0.05) . For the following 6 weeks, the subjects used the same intermittent training for 3 days per week and a resistance training for the other 3 days per week. The resistance training consisted of (1) 4 sets of 12 bouts of squat and leg curl exercise at 12 repetition maximum (RM) . (2) 2 sets of maximal bouts of the same exercise with a load of 90%, 80%, and 70% of 1 RM. After the training period, the maximal oxygen deficit increased further to the value of 86.8&plusmn;5.9 ml&sdot;kg<SUP>-1</SUP>which was significantly higher than the value attained at the end of the intermittent training. On the other hand, VO<SUB>2</SUB>max did not increase significantly from the value observed at the end of the 6 weeks of intermittent training. Body weight was not significantly changed throughout the 12-week training period. Maximal circumference of the thigh did not changed during the first 6-week of the intermittent training period (pre-training: 57.1&plusmn;1.2 cm, after 6-week training: 57.3&plusmn;1.1 cm), while it increased significantly after the last 6-week combined training (59.0&plusmn;0.8 cm, p<0.05) . In conclusion, this study showed that (1) high intensity intermittent training improves both the anaerobic and aerobic energy supplying systems, (2) additional resistance training with the intermittent training further increases the anaerobic energy supplying system, probably through increased muscle mass.
著者
石毛 フミ子
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.56-61, 1961-01-01
被引用文献数
5

健康な女子大学生10名を被験者に, ヒール高1.5cm, 2.5cm, 3.8cm, 5.2cm, 7.3cmの5種のパンプスについて, 安静時と歩行時のエネルギー代謝, 歩度をしらべ, 酸素消費量したがつて消費カロリーは, 一定距離の歩行に対して, 2.5cm, 3.8cm, 1.5cm, 5.2cm, 7.36cmの靴の順に大きくなつていることを見出した。そして, この結果, ならびに関連結果について広く考察を加えたが, 日常の生産活動に最も適した女子の靴のヒール高は3cmであるとの結論をえた。
著者
鈴木 政登 坂木 佳寿美 松原 茂 三浦 次郎 塩田 正俊 飯島 好子 町田 勝彦 井川 幸雄
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.231-242, 1990-08-01
被引用文献数
5

成長期にあるスポーツ選手の運動と栄養摂取の実状を把握するとともに適正な運動と栄養のあり方を考える目的で、次のような実験を行なった。高校生野球部員17名(15〜16歳、169.1cm、59.0kg)を対象に、1週間の夏期強化練習(自宅通学)時にエネルギー消費量(EE)、栄養摂取量(CI)、摂取食品目数、体重および血圧を毎日測定し、12分間走は4回行なった。血液・尿成分は強化練習初日、4日目および最終日(7日目)の3回測定した。本実験結果は、次の通りであった。1.強化練習1週間の平均EEは53.4±7.5kcal/kg/dayであった。CIはEEの87.2%に相当し、1日あたり平均7.4kcal/kg少なかった。しかし、体重の経日的変化は観察されなかった。2.強化練習経過に伴う血圧変化はみられなかったが、12分間走成績は低下した。3.炭水化物(C)、脂肪(F)および蛋白質(P)の熱量比は、1週間の平均でそれぞれ66.0、20.3および13.8%であり、動物性蛋白質は47.8%であった。4.食事内容は各家庭でほぼ決まっており、個人内変動が少なかった。概ね摂取食品目数が少なく、10品目に満たない者が35%みられ、それがほぼ1週間継続していた。5.血液成分のうち顕著に変化したのは、血清TG、TP、Hgb濃度およびCPK活性であり、強化練習4日目から最終日CPKTG41/36.4(Pi)(UN)(CA)NaCl7.112EECI(CI-EE)CACPKTGTPHgb(20.3%)(1.50g/kg/day)
著者
加藤 邦彦
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.25-26, 1994-02-01
被引用文献数
1
著者
高田 和子
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.287-290, 2007-04-01
被引用文献数
1