著者
吉村 耕一 小山 彩 出口 真由美 深水 潤 藤井 英恵 本村 由莉亜
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学学術情報 (ISSN:18826393)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.7-12, 2014-03-31

看護業務において与薬に関するヒヤリハットの発生頻度は少なくない。本研究では女子看護学生39人を被験者とし、薬剤の指示を受けてから薬剤を薬剤箱から取り出するまでの与薬業務過程を実験的に再現して、ヒヤリハットの発生要因を検討した。まず、指示の方法の違いによる検討では、文字による薬剤指示が写真あるいは音声による指示よりも認識ミスを発生しやすかった。次に個人の脳の特性の違いによる影響を検討したところ、自然に指を組んで右母指が上にくる右指組の人は、文字による薬剤指示に対して認識ミスを発生しやすい傾向にあった。本研究の結果から、指示の方法の違いや指示の認識に関わる脳の特性の違いは与薬時のヒヤリハット発生に影響しうることが示唆された。