著者
本橋 晃
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.91-96, 2022 (Released:2022-08-23)
参考文献数
21

生物の組織を用いたタンパク質分解酵素の作用を確認する実験系の開発を行った.動物の組織を用いることは難しいので,タンパク質分解酵素を含む植物の果実を利用した.タンパク質の消化の観察には,分子レベルで視覚的にとらえられるSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いた.基質には牛乳を使用し,それらを果汁と混合することにより,タンパク質の低分子化が時間とともに進んでいく様子が確認できた.中でもパインアップル,キウイでは顕著なプロテアーゼ活性が認められた.本実験は「生物」における「酵素の作用」の学習および探究学習にも有効に活用できる教材と考えられる.