- 著者
-
本江 哲行
- 出版者
- 富山工業高等専門学校
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2001
本研究では,実験室レベルで実験が可能な衝突実験装置の設計,製作,衝突実験の方法と測定方法の検討を行うとともに,実験から,ゴルフボールの特性を定量的に表現することを試みる.また,主研究者が従来から提案した衝突モデルをゴルフボールの適用し,モデルの妥当性の検討を行った.また,ハイスピードカメラを用いた衝突現象の解析の結果,以下のことが,明らかになった.(1)提案した衝突モデルを,ゴルフボール衝突系に適用した場合,シミュレーションと実験に良好な一致を見ることができ,本モデルの適用が可能であることが確認できた.(2)数値シミュレーションを行う場合,計算に用いるばね係数Kは,ボールのコア材のヤング率とポアソン比を用いて計算することが可能であると考えられる.(3)ボールの特性は反発係数に依存し,飛距離用のボールの反発係数は高く,コントロール用のボールの反発係数は低くい傾向にあり,高ヘッドスピードの反発係数は低く,低ヘッドスピードの反発係数は高い傾向にある.また,構造では,2ピースボールの反発係数は高く,3ピースボールの反発係数は低くい傾向にあることがわかった.(4)衝突速度が大きくなると衝突時間は短くなる.反発係数は,衝突力大きさや衝突時間にあまり影響を与えないが,ばね係数は,係数が小さい(剛性が低い)と衝突力は小さくなり,衝突時間は,長くなることがわかった.(5)ハイスピードカメラによる衝突現象解析の結果,衝突力が0になっても,変形が残っている残留振幅現象が確認できた.