著者
池端 昭夫 吉田 慎也 肖 鋒
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第62回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.56, 2013 (Released:2013-03-26)

TOTOでの衛生陶器商品の開発を目的とし、高精細な三次元気液二相流体シミュレーションのためのナビエ・ストークス方程式解法を導き出した。ナビエ・ストークス方程式はフラクショナル・ステップ法により、移流方程式と非移流方程式に分解される。さらに流体率のための移流方程式は精度よく計算される必要がある。全ての移流方程式は、我々が提案するマルチ・モーメント・有限体積法「UTI-VSIAM3」により計算され、またUTI-VSIAM3によって計算された流体率の移流方程式で生じた数値拡散は、我々が提案している「STAA法」により補正される。これらの計算手法は簡潔であるため、我々のシミュレーションプログラムは「TSUBAME」とよばれる東京工業大学のGPGPUスーパーコンピュータに適用して高い計算効率を達成した。
著者
江村 篤裕
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第52回理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
pp.314, 2003 (Released:2003-03-25)

マウンテンバイクに使用されるディスクブレーキには1kHzの鳴きと,500Hzのビビリが発生する.この発生メカニズムを実験的に解明した結果,鳴きはロータ面内方向の負の勾配による摩擦自励振動であること,ビビリは鳴き現象にロータ面外方向の振動がロータの温度上昇に伴って重なり合った現象であることが明らかになった.
著者
神部 勉
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第53回理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
pp.66, 2004 (Released:2004-03-25)

完全流体の運動の変分原理を、ゲージ理論にもとづいて構成する。流体運動に対して、ガリレイ変換不変のラグランジュ関数を定義し、並進対称性および回転対称性に対してgauge principleを適用して、より完全な形の variational formulation を構成する。ハミルトンの原理から、(圧縮性の)オイラーの運動方程式が導かれる。キーポイントは、ラグランジュ微分とゲージ原理との関係である。このformulation から、各対称性に対するネーサーの定理として、運動量保存則、角運動量保存則が導かれる。また、粒子置換不変性から、渦度方程式、循環定理等も導かれる。この formulation が物理的に首尾一貫した変分原理となっていることを報告する。
著者
岩津 玲磨 鶴 秀生
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.205, 2008

屋内音響解析に用いられる時間領域音響計算法の改良を目的として、シンプレティック積分法と最適化コンパクト差分法を1次元、2次元ベンチマーク問題に適用、既存法、他の方法と比較した結果を報告する。 シンプレティック積分法はルース、吉田、サンセルナによる公式を使用してガウシアンの移流問題を計算した。ベンチマークの結果によると、屋内音響計算が対象とする分解能領域では3段階3次ルース法が最も精度/計算コストの面で良好であると思われた。 コンパクト差分法は通常良く用いられる6次精度のものよりも係数を調整した最適化公式の方が若干良い成績を示した。境界公式はその性質から大幅な改良は見込めないが、係数調整の効果について報告する。 以上の現段階で最適であった方法の組み合わせによって2次元の波面反射、散乱などの問題を計算した結果と時間領域屋内音響計算の計算規模と精度などについて検討する。
著者
斎藤 正也 井元 清哉 山口 類 宮野 悟 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.63, 2014

インフルエンザに対する効果的な介入や注意喚起を行うためには、数理モデルを活用した流行予測が欠かせない。感染伝播ダイナミクスを考慮した日本全国の流行モデルを構成する場合、都市間相互の影響を取り入れるのは自然と考えられるが、定点動向調査結果に見られる複数地域での同期した感染者急増はそのことを支持している。そこで、本研究では都市間相互の影響を考慮したモデルの候補として、確率的に要素(地域)間の結合を取り入れた、連結SIRモデルを候補モデルとし、47都道府県での週毎の定点当感染者数を同化することで連結の強さを決めるパラメータを推定する。パラメータ推定にはMCMCを用い、各パラメータ設定での尤度評価を軽量に保つために、カルマンフィルタを適用可能にする近似を行った。また、地域毎の感染者数時系列は、連結強度の推定に十分な情報を持たないと考えられるため、地域間の人の移動件数の統計である都道府県間流動表を推定の事前分布の設計に用いた。
著者
藤原 宏志
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第53回理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
pp.78, 2004 (Released:2004-03-25)

逆問題に現れる第一種積分方程式に対しては、そこに含まれる積分作用素の特異系を用いることで解を構成することができる。これは Picard の公式として知られる。しかし限られた積分核を除き、この特異系を具体的に得ることは理論的にも数値的にも困難であったため、従来、Picard の方法による解の構成は期待されなかった。本講演では、近年提唱された数値特異値分解を Picard の公式に適用することによる第一種積分方程式の数値解の構成を紹介する。
著者
斎藤 正也 井元 清哉 山口 類 宮野 悟 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第63回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.51, 2014 (Released:2015-02-24)

インフルエンザに対する効果的な介入や注意喚起を行うためには、数理モデルを活用した流行予測が欠かせない。感染伝播ダイナミクスを考慮した日本全国の流行モデルを構成する場合、都市間相互の影響を取り入れるのは自然と考えられるが、定点動向調査結果に見られる複数地域での同期した感染者急増はそのことを支持している。そこで、本研究では都市間相互の影響を考慮したモデルの候補として、確率的に要素(地域)間の結合を取り入れた、連結SIRモデルを候補モデルとし、47都道府県での週毎の定点当感染者数を同化することで連結の強さを決めるパラメータを推定する。パラメータ推定にはMCMCを用い、各パラメータ設定での尤度評価を軽量に保つために、カルマンフィルタを適用可能にする近似を行った。また、地域毎の感染者数時系列は、連結強度の推定に十分な情報を持たないと考えられるため、地域間の人の移動件数の統計である都道府県間流動表を推定の事前分布の設計に用いた。
著者
前野 一夫 太田 匡則 大村 一弥 遠藤 洋一
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第58回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.96, 2009 (Released:2009-10-22)

近年の車両性能の向上による在来線の高速化に伴い,トンネル圧力波の問題が報告されている在来線特急の走行速度(130~160km/h)に着目し,車両図面を基に2種類の実験用の軸対称模型を製作し,高圧ガスにより加速走行される小型模型実験装置を用い,列車模型をトンネル模型に突入させる実験を行った.列車模型がトンネルに突入した際のトンネル内の圧力波変動を計測し,圧力波の形成と伝播の様子を捉え,圧力変化・圧力勾配の比較を行う.また,トンネル模型中間部に駅模型を設置した際のトンネル内の圧力波変動を計測し,トンネル断面積の変化が圧力波の伝播に及ぼす影響について調べた.
著者
角田 和彦
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第55回理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
pp.165, 2006 (Released:2006-03-25)

圧縮性流れ場には、衝撃波などの不連続面が存在するという興味深い現象がある。このような不連続性をもつ現象の数値解析に、高精度解析スキームを適用すると、非物理的な現象である数値振動が現れるということが知られている。その擬似振動を抑えるために、圧縮性流れの数理モデルであるEuler方程式の解析には、TVD (Total Variation Diminishing)の概念に基づいた高解像度スキームが多用されている。本研究では、圧縮性Euler方程式を対象に、高解像度TVDスキームの概念をペトロフ・ガラーキン有限要素法の定式化に導入することを目的として、TVD有限要素法の構築を行う。数値計算例として、Riemann (shock-tube)問題を通して解析手法の適用性及び妥当性を検討する。
著者
石本 健太 山田 道夫
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第60回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.236, 2011 (Released:2011-09-29)

Stokes 流体中を形状変形によって移動する生物について,生物の慣性がゼロ の極限で成り立つPurcellの帆立貝定理(scallop theorem)が知られている。 この定理は,流れの時間変化項が無視できる場合,形状変形が帆立貝の運動の ように往復運動であるときについて,一周期に移動する距離がゼロであること を示している.ここではまず生物の運動が回転を含まない場合を扱い,生物が 有限の小さな質量をもつ場合を摂動的に議論して帆立貝定理の破れを解析的に 調べる.その結果,生物の質量のゼロ次では帆立貝定理が成り立ち,一周期の 移動距離は一般には1次のオーダーで現れること,しかし対称性の良い場合には 1次のオーダーでも消失が起こり移動距離は2次のオーダーとなることを見出した. また運動が回転を含む場合についても、一般的な理論的枠組みを定式化し, 帆立貝定理と生物の慣性による定理の破れを議論する.
著者
磯部 大吾郎
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第57回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.105, 2008 (Released:2008-09-01)

2001年9月のテロでNY世界貿易センタービルのツインタワーが完全崩壊するという悲劇が起きた.FEMAおよびNISTがまとめた報告書によると,ジェット燃料によって引き起こされた火災が完全崩壊の主要因であるとしているが,火災が起きていなかったとされる下層部も含めて倒壊してしまった直接的な要因については詳細な考察や検討がなされておらず,未だに多くの疑問が残っているのが現状である.筆者らは,接合部の脆弱性が火災下で建物の構造強度に与える影響,および航空機の衝突時に発生する衝撃力が建物の構造強度に与える影響についてASI-Gauss法を用いた動的崩壊解析手法により多角的に調査を行っている.その中で,いくつか興味深い結果が出たのでここに報告する.
著者
風間 正喜 小俣 正朗 小原 功任
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.211, 2012 (Released:2012-03-28)

SPH法などの粒子法は計算格子を必要としない計算手法であり, 表面波など移動境界を伴う問題に多く適用されている. 特に水しぶきを有限要素法で計算する場合, 計算格子の再生成が必要となるなど計算上の困難を伴うが, 粒子法では比較的容易に計算することが可能となるため, 液滴の分裂や合体のような現象の計算に多く適用されてきた. 液滴の運動を計算する際に重要な表面張力を表現するために様々な方法が 開発されているが, 表面エネルギーを基礎とした計算方法はそれほど多くないように思われる. 表面エネルギーを基礎とした方法では, 接触角を表面エネルギーの差として簡単に表現することができる. 本研究では表面エネルギーを基礎とした粒子法による 表面張力計算方法を開発したのでその計算結果を報告する.
著者
長谷川 光弘 清水 健介 須藤 誠 木田 哲量 加藤 清志 高野 真希子
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.326-326, 2006

コンクリートは凍結融解作用や乾湿潤作用に伴い、環境水の微小水循環により中性化が加速され、かつ、そのアルカリ度の希薄化を定量化した。さらに、コンクリート組織中の欠陥界面に半透膜モデルを設定し、環境水の吸排水の可能性をファントホッフ効果によるものと論じた。本報では、仮想仕切版(す焼板)を介し、清水プールと高濃度アルカリ溶液プールのそれぞれの濃度平衡を定式化し、かつ、浸透速度を逆解析的に求め得ることを明らかにした。
著者
武居 周 杉本 振一郎 荻野 正雄 吉村 忍 金山 寛
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.18, 2009

高周波電磁場の大規模有限要素解析において階層型領域分割法が有用である.反復型領域分割法において部分領域解法にLDLT分解法に基づく直接法を適用し,インターフェース問題の収束性が改善したことによって,従来手法では困難であった5,000万複素自由度規模の空洞共振器解析が可能となったので,本講演会にて報告する.
著者
小林 保
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第51回理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
pp.116, 2001 (Released:2002-05-10)

構造力学における荷重は単位の異なる3種類がある。超関数を用いればこれらを統合して表示でき、集中力はディラック関数の特異点で表示される。超関数の理論は、ディラック関数の特異点について、「関数値は存在しない。」と説明するのみであり、集中力の存在感が希薄になっている。筆者は、超関数の特異点の特徴を「定積分の集中」と把握することを提案する。これを用いて、「関数擬値」を定義し、「材軸線に沿う座標と関数擬値の対応」により、荷重の分布を表示する。
著者
遠藤 洋一 ゼブ ムハッマド ファラク 木俣 孝裕 太田 匡則 前野 一夫
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.229-229, 2011

近年の車両技術の向上による在来線の高速化に伴い,列車がトンネルに高速で突入することにより発生するトンネル圧力波の問題が報告されている.しかしながら,在来線におけるトンネル圧力波の研究はほとんど行なわれていない.そこで,在来線最高速の160km/hで走行している在来線特急「はくたか」に着目し,車両図面を基に2種類の実験用の軸対称模型を製作し,高圧ガスにより加速走行される小型の列車模型発射装置を用いて,列車模型をトンネル模型に突入させた時の圧力波の取得実験を行い,圧力波の形成と伝播の様子を捉え,圧力上昇・圧力勾配の比較を行なった.また,トンネル模型中間部に駅・信号場模型を設置した際のトンネル内の圧力波変動を計測し,列車およびトンネル断面積の比が圧力波の伝播過程に及ぼす影響と圧力波の駅・信号場模型通過後の圧力変化について調べた.
著者
長尾 大道 小林 直樹 深尾 良夫 冨澤 一郎 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.47, 2012 (Released:2012-03-28)

大地震が起こった際には、それによって励起された波動が電離層内を伝搬していくことが、観測的に示されている。著者はこれまでに、固体地球‐大気結合系1次元モデルのノーマルモードを利用した数値シミュレーションにより、2008年に起こった岩手・宮城内陸地震によって励起された気圧変動を説明することに成功した。本研究では同じ手法を用いることにより、やはり同地震の際に菅平のHFドップラー観測で捉えられた電離層の上下変動を、中性大気を伝搬する音波波動として理解できることを示した。講演においては、他の地震の場合に得られたさらに多くの観測点で得られたHFドップラーデータを総合的に解析することにより、大地震によって励起される大気変動の時空間構造を包括的に理解することを目指す。
著者
宋 成彬 曽田 五月也
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第64回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.OS1-01-02, 2017 (Released:2018-11-13)

In recent years, the Institution of the Long-Life quality housing for Wooden structure house is needed proper maintenance and evaluation of seismic performance. And the application of the vibration control structure for Wooden structure is also increasing. In order to evaluate seismic performance of wooden structure directly, it is useful that time-history earthquake response analysis is useful to evaluate the response about input energy of earthquake. In this report, we analyzed damping of wooden structure from the measured vibration data, and propose the damping model for Wooden structure. We compare response analytical result with experiment.