著者
杉崎 太郎 中村 元昭 柳田 将志 本田 元就 篠原 光子 生田 哲也 大地 朋和 釘宮 克尚 山本 亮 神田 さおり 山村 育弘 屋上 公二郎 小田 達治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1, pp.47-52, 2007-04-05

65nm世代以降、最も一般的に用いら手いる6T-SRAMは多くの問題に直面している。そこで、我々は6T-SRAMに代わるSRAMを検討している。今回、バルクシリコンウエハーを用いて、サイリスタをSRAM(Static Random Access Memory)セルに応用することを試みた。このBulk Thyristor-RAM(BT-RAM)は、バルクシリコンウエハーを用いているために、コストを抑えることができる上に混載デバイスとの相性もよい。さらに100psの高速書き込み/読み出しが可能、オン電流とオフ電流の比が10^8以上、スタンバイ電流が0.5nA/cell以下と非常に良好な特性を示した。また、アノード領域に選択エピタキシャル技術を用いることで、理想セルサイズも30F^2(Fはデサインルール)と従来型の6T-SRAMの約1/4のサイズになっている。このようにBT-RAMは現在SRAMの直面している問題を解決し、65nm世代以降に有望なデバイスであることがわかった。