- 著者
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堀口 逸子
本田 恭平
高田 拓哉
石橋 由基
- 出版者
- 一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
- 雑誌
- レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.1, pp.85-92, 2022 (Released:2022-01-31)
- 参考文献数
- 30
本報告では,医療提供者とがん患者との間で行われる,医薬品の使用に伴う避妊の必要性に関するリスクコミュニケーションについて考察する.20歳代から40歳代の男女2,000人を対象に,Webサイトを利用した質問紙調査を実施した.10の用語のうち,最も認知率が高かったのは「抗がん剤」で79.8%だった.しかし,半数以下の用語で,認知率が20%以下だった.これらの結果から,医療提供者は情報提供の際に,コミュニケーションスキルを駆使する必要がある.「医薬品の投与に関連する避妊の必要性等に関するガイダンス」は,患者に対して正確な情報を提供するためのツールになる.ホームページ上の表現を精査したり,用語集を用意したりすることで,医療提供者と患者双方のコミュニケーションの負担を軽減し,理解を促進することができると考えられる.