著者
本田 逸郎 河南 治 川島 陽介
出版者
The Visualization Society of Japan
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.30, no.119, pp.22, 2010 (Released:2012-04-14)
参考文献数
24

鰺型推進と呼ばれる尾ひれ運動による水中推進機構は高速遊泳が可能であるため,次世代の水中推進システムや水中探査ロボットへの応用が期待されている.しかし,彼らの高速遊泳能力や旋回性能は,現在の機械技術ではまねの出来ない非常に高効率な機構を有している.現在のところ,実際の魚と同様の速度や旋回性能を得られていないのが実情である.このような推進機構を調査するために実験的に研究されている例があるが,生物相手であるために再現性の良いデーターを得ることが非常に難しく,推進原理は判明しているにもかかわらず,高速遊泳の謎は解明されていない.本稿では,尾ひれの推進機構を解明するために数値シミュレーションを用いることで,振動する尾ひれの後流の可視化を行い,その推進速度や推進効率,旋回性能をについての調査結果を紹介したものである.