- 著者
-
島田 洋一
本郷 道生
畠山 和利
渡邉 基起
- 出版者
- 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
- 雑誌
- The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.12, pp.914-921, 2016-12-18 (Released:2017-02-14)
- 参考文献数
- 34
ロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)は,骨粗鬆症,加齢に伴う筋力低下や,変形性脊椎症,そして変形性膝関節症などが原因で生じるが,これらの疾患の多くが腰椎疾患と密接に関連する.腰椎疾患ではさまざまな運動療法が提唱されている.腰部脊柱管狭窄症では,動作に伴う症状の増悪に注意しながらのストレッチングや全身の調整運動を行う.慢性腰痛症に対する筋力増強やストレッチングなどの運動療法は有効な保存療法として推奨されている.骨粗鬆症を伴う脊柱後弯患者では,背筋力増強および脊柱可動性を改善する運動が有効である.運動療法には自宅での運動と,施設で実施する運動とでは内容が異なるが,ロコモを伴う高齢者に対しては,安全で継続性があり,かつ効果のある運動療法を考慮して処方する必要がある.