著者
工藤 博章 柴 隆一 本間 和明
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.272-278, 1992-07-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
8

フロン規制措置の対応策として低残渣無洗浄型あるいは残渣が無公害で安全性の高い溶剤 (例えばIPA) によって洗浄可能な新しいフラックスの開発を試みた。ロジンがフラックス残渣の主因であることからロジン以外の化合物を対象にフラックスを選択した結果, 金属への高い親和性と強い還元性をもつ亜リン酸に着目し, さらに金属との反応性のコントロール, 有機溶剤への溶解性, はんだ付け温度との対応を持たせる目的で, これに種々の有機置換基を導入した有機亜リン酸化合物を合成した。はんだ付け性試験, 残渣洗浄性, 母材金属への影響, 残渣量について検討した結果, 合成した有機亜リン酸化合物中数種の化合物に, 1) ロジンよりも高活性でありフラックス添加量が少量ですむ, 2) フラックス残渣がロジン系フラックスの5分の1量に低減できる, 3) 残渣はIPA (2-Propanol) に高い溶解1生を示す等の特徴がみられ, すなわちフロン規制措置に対応できる新しいフラックスとして位置付けることができた。