著者
高橋 丈博 田中 利和 渋谷 昇 伊藤 健一 高橋 康夫
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.314-319, 1992-09-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
7

プリント配線板における配線設計を行う上での設計指針を与えることを目的とし, ビアをもっ配線板で信号伝送測定を行い, 配線ビアの信号伝送波形への影響を調べた。この結果, 立ち上がり1ns程度の波形に対して, 伝送波形はほとんど変化せず, ビアの個数やクリアランスの大きさを変えても波形はほとんど変化しなかった。ビア部分の特性インピーダンスを測定したところ, 特性インピーダンスはクリアランスの大きさに依存し, 配線部の特性インピーダンスから20%程度違っていた。しかし, 伝送波形の計算を行い, ほとんど影響を与えないことが計算でも確認された。つぎに, 信号の立ち上がり時間, ビアの特性インピーダンスとの波形歪と関係を計算し, 立ち上がり時間が速くなってくるとビアの影響が波形に現れてくることを明らかにした。
著者
曽我 太佐男 佐々木 秀昭 白井 貢 九嶋 忠雄
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.380-394, 1993-07-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

プリント配線板上に搭載される電子部品のスルーホール継手構造について, 温度サイクル加速試験による信頼性評価を行った。スルーホール継手のコネクタなしのピン構造におけるクラック進展要因を明らかにし, クラック進展を低減するための対策を示した。この構造では, 汎用のガラスエポキシ基板に対して, ピンと基板間の熱膨張差で生ずるはんだの最大せん断歪とクラック発生率との相関性は得られないことがわかった。そこで, ピン, 基板, はんだ間の熱膨張差で発生する軸方向に作用する最大応力で評価した結果, 最大応力とクラック発生率との相関性を見出した。その結果, 応力が大なるほどクラック発生率が高いこと, ガラスエポキシ基板の場合, ピン径が大なるほど応力は小さく, クラック発生率が低いこと等を明らかにした。他方, 実用的な構造であるコネクタ付ピン継手のクラック進展についても検討した。クラック進展の主な駆動力は, コネクタとプリント配線板との基板面方向の熱膨張差で生ずる曲げによる歪である。コネクタ両端部のピン継手におけるクラック進展は中央部ピン継手に比べ顕著に大であり, コネクタの構造, 寸法効果が大きいことがわかった。一般的に, スルーホール継手構造においては, ピンが穴の周囲で拘束されるため, 初期にフィレット部でクラックが早期に発生しても, クラック進展速度はクラック進展と共に低下してくる。このため, スルーホール継手はフリップチップ形, フラットパッケージ形継手と比べ, 高信頼構造であると考えられる。
著者
西 壽雄
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.209-216, 1993-05-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
5

電子機器の高機能化, 小型化に対応し, 基板への部品実装技術も高密度化が要求されている。我々は上記要求に応じて0.3mmピッチQFPの実装技術を開発した。本技術の確立のためには下記の3つのキーテクノロジが必要である。1) プリコートによるはんだ供給, 2) 搭載直前のリード成形, 3) レーザ認識による高精度搭載。ファインピッチQFPの代表として日本TI製の144ピン0.3mmピッチS-FPACの実装実験を上記技術を用いて行い, パッケージ接合率99.6%, リード接合率99.99%を得た。フィレット形状および接合強度も十分であった。
著者
作山 誠樹 渡辺 勲 佐藤 武彦 花房 孝嘉
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.128-135, 1993-03-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
7

表面実装における微細パターン化に伴い, プリント配線板の前処理であるソルダコート (予備はんだ被膜) の薄膜化が要求されている。しかし, 薄いソルダコート表面では, はんだペーストとの濡れ性低下が問題となる。そこで, メニスコグラフ濡れ性試験, オージェ分光分析, X線マイクロアナライザにより, 薄いソルダコート表面でのはんだ濡れ性低下のメカニズムの解明と, 薄いソルダコート用はんだ材料について検討した。その結果以下のことが明らかとなった。母材からのCuの拡散によってCu-はんだ界面に生成するCu-Sn金属間化合物ははんだ表面まで成長し, 表面に露出した化合物中の過剰なCuが酸化することによって, 薄いソルダコート表面でのはんだ濡れ性が低下する。ソルダコート用共晶はんだ浴に0.3wt%のCu添加は, 母材からのCuの溶出を抑え, 化合物の成長を抑制する。また, 0.1wt%以上のインジウム (In) 添加はソルダコート表面がInリッチとなって, 表面にInの酸化膜を形成させ, これが化合物の酸化を抑制する効果がある。したがって, ソルダコート用はんだにCu-Inを添加することで, Cu-Sn金属間化合物の成長を抑制し, たとえ薄いソルダコート表面で金属間化合物が露出したとしても, 化合物表面の酸化を抑制し, 良好なはんだ濡れ性を得ることができる。
著者
岡田 万佐夫
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.42-46, 1993-01-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
2

PCBの脱フロン化に伴う無洗浄実装化や高密度実装化に対応するため, 基板の表面仕上げ方法の重要性が増している。ホットエアレベリングやヒュージング仕上げは耐熱性および耐湿性において非常に良く, 優れた方法であると言える。しかし, 実装の無洗浄化や高密度化には, プリント配線板に高い清浄性が必要となる。水溶性フラックスでホットエアレベリングやヒュージング仕上げしたプリント配線板は, 普通, 水のみで洗浄されている。ところが, 小径スルーホールの密度が高いプリント配線板やある種のソルダレジストを塗布したプリント配線板は, 水のみの洗浄では十分洗浄できないケースが認められた。そこで, 洗浄剤および洗浄機を開発し, 優れた洗浄効果を確認した。また洗浄剤導入の効果は, 超低残渣ポストフラックスによるフローソルダリング後にも反映された。

1 0 0 0 OA 紙フェノール

著者
石原 秀樹
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.293-299, 1994-07-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
4
著者
工藤 博章 柴 隆一 本間 和明
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.272-278, 1992-07-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
8

フロン規制措置の対応策として低残渣無洗浄型あるいは残渣が無公害で安全性の高い溶剤 (例えばIPA) によって洗浄可能な新しいフラックスの開発を試みた。ロジンがフラックス残渣の主因であることからロジン以外の化合物を対象にフラックスを選択した結果, 金属への高い親和性と強い還元性をもつ亜リン酸に着目し, さらに金属との反応性のコントロール, 有機溶剤への溶解性, はんだ付け温度との対応を持たせる目的で, これに種々の有機置換基を導入した有機亜リン酸化合物を合成した。はんだ付け性試験, 残渣洗浄性, 母材金属への影響, 残渣量について検討した結果, 合成した有機亜リン酸化合物中数種の化合物に, 1) ロジンよりも高活性でありフラックス添加量が少量ですむ, 2) フラックス残渣がロジン系フラックスの5分の1量に低減できる, 3) 残渣はIPA (2-Propanol) に高い溶解1生を示す等の特徴がみられ, すなわちフロン規制措置に対応できる新しいフラックスとして位置付けることができた。
著者
曽我 太佐男 小林 二三幸 佐々木 秀昭 白井 貢 保川 彰夫
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.97-109, 1992-03-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

プリント板上に搭載したFP (Flat Package) のはんだ付け継手部において, 温度サイクル試験によるクラック進展長さを定量評価し, 熱疲労による劣化メカニズムおよび熱疲労劣化要因について検討した。FP構造では, 熱応力が弾性体のリードを介して継手に作用するため, 破壊メカニズムがフリップチップ等の剛体構造に比べ複雑である。セラミックFP継手のクラック進展は, 高温から低温に変化したとき, 継手のかかと部に開口状に作用するリードの曲げに起因する。FP継手のクラック進展長さは, 温度サイクル数に対して, ほぼ直線的に増加する。クラック進展に及ぼすリードの曲げ剛性, プリント板の熱膨張係数, 継手欠陥の形状, はんだ厚さ, 加速条件, 浮きリードによるクリープを伴う複合疲労等について明らかにした。また, 各種FP継手に対して, 継手形状, 寸法等で継手の信頼性を容易に判定できるマクロな簡易解析法の有効性を確認した。本手法による平均相当応力が3kgf/mm2以下であれば, -55~150℃, 1サイクル/hの条件で, 1500サイクルに耐えられる高信頼継手が期待できる。
著者
西田 秀行
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.24-33, 1992-01-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
5
被引用文献数
1