著者
佐久間 陽子 保科 敬子 本間 文子 山口 香織 山本 彩恵子 加賀 三司
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第56回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.223, 2007 (Released:2007-12-01)

〈緒言〉当透析室では患者の高齢化と糖尿病 性腎症が誘因となり、起立性低血圧をきたし、意識消失・転倒などのリスクの高い患者が増えている。 それらの患者に対し、先行研究を基に起立 性低血の改善を目的とした透析後運動療法を行った。その結果、血圧差(透析終了止血後、臥位収縮期血圧と立位収縮期血圧との差。以下血圧差と略す)の改善に効果的であったので報告する。 〈方法〉期間:平成18年3月~10月 対象:透析後の起立性低血圧があり、立位で帰宅が可能な患者の内、研究に同意が得られ、運動療法が6ヶ月間継続できた14名。 年齢: 65歳未満2名 65歳以上12名 原疾患:糖尿病性腎症7名 腎炎他7名 実施方法:運動実施前(3月):透析終了し止 血後の臥位血圧とその直後の立位血圧を測定をする。運動実施後(4~9月):透析終了し止血後臥位で血圧測定をし、8分間の運動実施後立位で血圧測定をする。運動実施前・後期間の離床時間を測定する。運動方法 臥位:_丸1_両膝伸展し足の背屈・底屈(2分) _丸2_両肘関節屈曲・伸展を行いながらジャンケ ン運動(3分)_丸3_両膝屈曲位から片脚ずつ伸 展挙上(2分)端座位_丸4_足踏み(1分) 用語の定義:起立性低血圧=透析後の起立時収縮期血圧が20mmHg以上低下する状態 離床時間=透析終了後、立位血圧測定時から歩行でベッドを離れるまでの時間。 離床時間:透析終了後、立位血圧測定時から 〈結果〉 図1より全対象者の運動実施前後の血圧差の平均は、運動実施前46mmHg運動実施後28mmHgであった。結果、運動実施後、血圧差が18mmHg小さくなった。運動実施前後で一番変化がみられた例では、38mmHgの差があった。対象者14名のうち運動実施前後の血圧差で有意差がみられたのは10名、有意差がみられなかったのは4名であった。 全対象者の血圧差と離床時間の相関関係は各 月の離床時間の平均と血圧差の平均から相関 係数r 0.94001となり、相関関係は強い。よ って、血圧差が小さい程、離床時間が短い。 全対象者の血圧差と体重増加分の相関関係 は各月の体重増加分の平均と血圧差の平均から相関係数r 0.08015となり、血圧差と体重増加分の相関関係はほとんどなかった。