著者
網田 健次郎 星野 正邦 本間 智晴 若林 久嗣
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.193-197, 2000-12-15
被引用文献数
12 40

1999年5月から12月に新潟県海川で天然遡上アユ, 標識放流したアユ種苗, 流下アユ仔魚および他の生息魚を採集して F.psychrophilum の検出を試みた。 IFAT または nested PCR により検査した結果, 放流前のアユ種苗の一部, 採集された全てのグループのアユと他の4魚種(ヤマメ, ウグイ, ウキゴリ, ヨシノボリ)および成熟アユの卵から本菌が検出され, また, 河床の微細藻類や河川水の一部が PCR 陽性を示した。 これらの結果から親魚から仔魚への冷水病菌の伝播, 放流魚や他魚種等から天然遡上アユへの伝播の可能性が示された。