著者
立岡 修治 中村 登 九玉 輝明 本高 浩徐 永田 彩子 濵田 信男
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.1509-1514, 2015 (Released:2015-12-28)
参考文献数
23

症例は42歳,女性.2年前にS状結腸憩室炎を認め,保存的治療にて軽快した.今回,臍部の疼痛と発熱を主訴に来院.CTにて尿膜管膿瘍を認め,膀胱およびS状結腸との交通が疑われた.高度の炎症所見を認めたため,抗菌薬投与およびドレナージを施行し炎症を沈静化させた後,S状結腸,尿膜管および膀胱部分切除術を施行した.S状結腸憩室炎の穿通による尿膜管膿瘍は極めてまれであり,国内で自験例を含め4例,海外で11例に報告されているのみである.若干の文献的考察を加えて報告する.