著者
立岡 修治 中村 登 九玉 輝明 本高 浩徐 永田 彩子 濵田 信男
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.1509-1514, 2015 (Released:2015-12-28)
参考文献数
23

症例は42歳,女性.2年前にS状結腸憩室炎を認め,保存的治療にて軽快した.今回,臍部の疼痛と発熱を主訴に来院.CTにて尿膜管膿瘍を認め,膀胱およびS状結腸との交通が疑われた.高度の炎症所見を認めたため,抗菌薬投与およびドレナージを施行し炎症を沈静化させた後,S状結腸,尿膜管および膀胱部分切除術を施行した.S状結腸憩室炎の穿通による尿膜管膿瘍は極めてまれであり,国内で自験例を含め4例,海外で11例に報告されているのみである.若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
中村 登流
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5-6, pp.424-488, 1972-12-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
80
被引用文献数
3 4

1.エナガ(Aegithalos caudatus)の繁殖期の番い行動圏について構造•分布•冬の群れテリトリーとの関係を研究した。調査は1964~1968年の5繁殖期に,本州中部山麓の混合林で行なった。2.番い行動,活動点の分布,移行行動,たたかい行動,手伝い行動を分析し,繁殖期の番いテリトリアリズムについて考察した。3.番いは番い群を経て冬の群れから分出して来る。春に番い形成の行動は見られない。番い群の行動圏は冬の群れのそれに入っている。そしてその範囲を共同で防衛している。番いは冬の群れの中にでき,除々に孤立していく。番い行動圏は番い行動と共に冬の群れのそれから分離して来るが,冬の群れの行動圏内に入っている。4.番いは夜には,共同ねぐらで群れと共に眠る。日中には営巣行動をするが初期には午前中のみで,悪天候には群れに戻る。次第に一日中番いで過し,営巣するようになる。5.番い行動圏は重複し,特に冬の群れ行動圏のセンターでは著しい。優位の雄の番いは早く孤立し,群れ行動圏のセンターに対立するような位置をとる。おそくまでセンターにとどまり,そこで重複した行動圏を持つものは劣位の雄のものである。6.はじめは同じ群れのメンバーと番い群をつくり,異る群れのメンバーとはたたかう。しかし,番いの孤立化が進むにつれて同じ群れのメンバーともたたかうようになる。番いが完全に孤立するのは共同のねぐらから巣の内部へ番いのねぐらを移した時からである。それは巣の外装が完成したあとである。7.たたかい行動のピークは営巣期にあり,営巣期後半に交尾が行なわれる。エナガのテリトリアリズムは営巣期に最高となって完成する。その後,たたかいはずっと減少し行動圏も小さくなる。個体群内は社会的構造において安定し,次世代の生産が行なわれる。しかし実際には抱卵期以後,巣の破壊がはげしくなり,そのために再営巣があるために混乱する。8.番いは行動圏内に高活動密度部を持ち,そこは隣接番いと決して重複しない。パトローリングはそのセンターから出てセンターへ戻る。その間隣接番いとのたたかいがある。また,隣接番いとしばしば対立する特定の数ヶ所がある。9.巣の位置は必ずしも高活動密度部に関係しない。しかしそのセンターの内部か又は近くにある。それはブッシュの濃密な場所である。巣の位置は雄が紹介して雌が決定する。その時求愛や交尾前と同じ型のディスプレイを伴なう。10.再営巣は前の巣の近くに行なうが,しばしば著しく離れ,隣接テリトリーを越えることもある。しかし前の行動圏にこだわる傾向があり,一方では,たとえ離れても冬の群れ行動圏を出ない。11.手伝いは営巣期,抱卵期には現われない。育雛行動のみの手伝いである。独身者と繁殖に失敗した番いであって,後に家族群となり,冬季群のメンバーとなる。12.番いのテリトリアリズムはルーズであるが,space outははっきりしている。番いのテリトリアリズムは冬の群れのテリトリイ内で現われ,その占有地域は冬の群れテリトリアリズムによって保証されている。
著者
久木田 水生 大澤 博隆 藤原 広臨 林 秀弥 平 和博 伊藤 孝行 大谷 卓史 笹原 和俊 中村 登志哉 村上 祐子 唐沢 穣
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、第一に、インターネット上の悪質な情報の流通とそれに起因する現代の諸問題の根本的な要因・メカニズム・影響を明らかにする。第二に、そのような問題に対処するための新しい情報リテラシーの概念を探求し、その基礎になる技術哲学理論を構築する。第三にその概念と理論に則した情報リテラシー向上のための方法を探求する。このことによって本研究は情報技術と社会が互いに調和しながら発展していくことに貢献する。
著者
中村 登流
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.155-173, 1962-12-31 (Released:2008-11-10)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

1.この研究はエナガ(Aegithalos caudatus trivirgatus)の蕃殖期生活の特殊性を明確にするため野外観察の結果をまとめたものである。2.1951年から1961年までの蕃殖期におけるのべ147回の野外調査により,48番,71巣を観察した。雌雄の区別は行動差,尾羽の曲り方の差,尾羽の破損状態,足環によって判別した。3.蕃殖期は比較的早期性で新葉ののびる時期に育雛期が来るように調整されている。早期営巣者は2月からはじめるが寒波によって影響されやすく,営巣期間が晩期営巣者より長い。4.番形成は営巣場所決定以前に行なわれ,番群は冬期群移行範囲の局部執着により出現する。営巣に入っても寒冷気候が戻った場合再び番群が形成される。5.営巣場所は林縁ならびに林冠部で,常緑性針葉樹に執着し10m以上の枝先にもっとも多い。落葉広葉樹の樹幹には3~10m,小灌木またはブッシュでは3m以下である。6.蕃殖期内で巣が破壊された場合営巣場所を変更する。蕃殖期末に破壊された場合再度営巣はしない。7.営巣は雌雄共同で行なう,営巣活動時間は休息時間とほぼ同じ位で,むしろ休息の方が多い。営巣期間は早期営巣者で2ヶ月もかかる場合があるが晩期営巣者は10日位である。8.塒は営巣初期の外廓ができるまでブッシュの中にとり,外廓ができて以後巣内でとる。9.抱卵活動は,巣外時間に対する巣内時間の比で示すと,前半で1に近く,後半で2に近い。10.夕刻巣へ入る時には雄が先導して雌が先に入り,後から雄が入る儀式的行動がある。11.孵化当時の給餌は抱雛している雌に雄が口うつしにし,雌が雛に与えるが数日にして雌雄が給餌行動をとるようになる。12.1羽当り1分間の給餌回数は0.03であり,初期と晩期でやや少ない。13.雌雄の給餌行動には雄が先導して先に雌が給餌し,その間雄はデスプレイ行ない,次に雄が給餌するという儀式的行動がある。14.主として雄が行なうup-right flight displayは営巣期には特定の場所で大規模に行なわれ,産卵•抱卵•育雛期には巣の周辺の一定空間で行なわれ,その活動が最高に達するのは孵化直後である。15.テリトリーははっきりせず巣の防衛が主であり,デスプレイは持ちながらテリトリーの主張をしない。
著者
中村 登志哉
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
vol.260, pp.189-209, 2015-02-25

本論文は、平成23-26年度科学研究費補助金基盤研究(A)(課題番号23243026)「日米特殊関係による東アジア地域再編の政治経済史研究」の助成を受けた研究成果の一部である。
著者
高山 直子 有吉 浩美 洲崎 好香 中村 登志子
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.20-27, 2012-04-30

近年,生活習慣病の低年齢化が進み,肥満が問題となっているが,青年期の学生の身体活動量と生活習慣について実態を明らかにするために,肥満度と平均歩数および健康意識との関連について検討した。対象の年齢は15歳から22歳で,性別は男子29人,女子4人の33人であった。肥満度はBMIにて算出し,肥満,過体重,標準,やせの判定基準を用いた。歩数測定は月曜日から7日間行い,肥満度別に平日と休日の平均歩数を検討した。結果,平日の平均歩数は6691歩で,休日の平均歩数は3187歩であった。平日より休日の平均歩数が有意に少なく,いずれも健康日本21の目標数値よりも少ないことを示した。肥満度との相関では木曜日の平均歩数と相関があった。肥満・過体重の通学生と寮生の平均歩数を比較すると,寮生の平均歩数が有意に多かった。また,調査票の結果では,健康への関心が肥満・過体重学生が標準・やせ学生より関心が低いことを示したほか,間食する生活習慣が見られた。健康への認識は運動回数と,また,平均歩数が運動継続と相関のあることが明らかになった。
著者
石川 俊浩 中村 登流
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.159-171, 1988-08-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
9
被引用文献数
2

1985年の春と秋の渡り期に,新潟県上越地方のいわゆる頸城平野に渡来したシギ•チドリ類の採食行動を調査した.採食行動については歩く歩数とつつく回数を記録し,これを種別,環擁別に比較した.1)シギ科はほとんど停止することなく歩きながら採食していくが,チドリ科はつい球み回数と同じくらい停止をしている.2)シギ科,.チ.ドリ科ともに科内では体の小さいもの翠ど単位時間あたり高頻度についぼんでいる傾向がみられた.3)チドリ科は春,秋ともにシギ科よりついばみ回数が少ない傾向があり,ついばみ回数種間差より歩数の種間差が大きかった.4)一方,シギ科は春,秋とおして一般にチドリ科よりもついばみ回数が多く,かつその変異は非常に大きかった.5) シギ科のハマシギとキリアイは,水の中に入るとつつき採食からさぐり採食になり,その分嘱の使用時間が増えるため歩数が減る.6)以上より,シギ科の生態的分離は嘱の使い方に重点がおかれているが,チドリ科のそれは歩幅を変えることに重点がおかれていると考えられる.
著者
中村 登志哉
出版者
県立長崎シーボルト大学
雑誌
県立長崎シーボルト大学国際情報学部紀要 (ISSN:13466372)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.199-212, 2005-12-20

The triangular relationship between foreign and security policy, mass media and public opinion has increasingly drawn attention of scholars; Yet few research has been conducted in this regard. This study thus discusses Japanese foreign and security policy making process in the wake of the Gulf Crisis/War in 1990/91, in particular the miscarriage of the United Nations Peace Cooperation Bill. The study examines three issues: what did Japanese mass media consider newsworthy in the wake of the Gulf Crisis? In contrast, what did overseas media report on the matter? How did Japanese media influence public opinion as well as foreign and security policy making? Finally, it aims to identify the interrelationships between foreign and security policy making process, mass media in Japan and overseas and public opinion.
著者
石崎 直樹 浜田 信男 門野 潤 中村 登 平 明
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.752-756, 2000

leucovorin (LV)の5-FU効果増強作用を利用した5-FUとLV併用療法は,結腸直腸癌に対する有効な化学療法である.またUFTと経口でのLV併用療法は静注5-FU/LV療法に匹敵するという報告もある.われわれは高度の進行結腸直腸癌症例に対し周術期にUFT/LV内服療法を行い,画像および組織上有効と判定された2例を経験したので報告する.症例1は50歳の膀胱浸潤直腸癌症例で, UFT 300mg/m<sup>2</sup>/dayとLV 100mg/dayを1クール(28日)行い,画像上腫瘍の著明な縮小化を得た後,骨盤内臓全摘術で根治術を得た.化学療法の組織学的効果判定ではGrade Ibであった.症例2は55歳の男性.肝転移を伴う結腸癌穿孔で結腸切除と腹膜炎の緊急手術後,同治療を2クール行った.化学療法後のCTで肝転移巣は縮小し, CEAも著明に低下した.症例2の軽度な下痢以外副作用は認めなかった.従ってUFT/LV内服療法は,進行結腸直腸癌に対する有効な周術期補助化学療法と考えられた.
著者
中村 登流
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.25, no.99, pp.21-40, 1976

1.インド北西部ジャムー&bull;カシミール州のラムナガールに1973年10月31日より12月6日まで滞在し,冬の鳥を調査した.Habitat 内の構造特性と鳥の採食形式との関係について考察した.2.調査地は人工的な農山村で,鳥の環境として,松林,広葉落葉樹林,マメ科疎林,ブッシュ地,芝生草原,水田,河原,人家に分け,各々の特定的な構造に対応する種構成,個体の相対量が見つかった.3.ツグミ亜科の種が多数越冬しており,各 habitatに対応する生活空間を分けている.その生活空間は,1)地表面でその近くに跳びついて攻撃し,特定の監視所は持たない,2)ブッシュ上の特定の監視場所から地表面をねらって飛びついて攻撃する,3)林内の特定の監視場所から樹間空間に flycatching をする,という3型に分けられる.ラムナガールの冬には,典型的なヒタキ亜科の生活空間はあいており,ツグミ亜科がその下部要素へ入っている.4.鳥の集合に,1)警戒行動による集合,2)採食群による集合,3)コーラスグループによる集合が見つかった.さわがしいムードによる集合は各種の生活空間の活用性を拡大する生物的創造空間を示している.5.冬のテリトリー行動が目立った.ツグミ亜科には単独でテリトリアルなものが多い.オープンな場にいるものと,flycatching をするものは単独テリトリーを持つ.しかし,異性間テリトリーは見られない.Plumbeus Redstart では雄間テリトリーの中に雌は単独でいて,番いにはなっていない.Blueheaded Redstart では雄間テリトリーの中に排他的な雌が共存していて,番いにはなっていない.
著者
高山 直子 雨宮 俊彦 西川 一二 吉津 潤 有吉 浩美 洲崎 好香 中村 登志子
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.87-94, 2012-07-31 (Released:2017-12-28)
参考文献数
13

本研究では成人勤労者および青年期学生における,肥満におよぼす心理的要因の影響を明らかにするために,日本語版Dutch Eating Behavior Questionnaire(以後,DEBQ)を用いて食行動を調査した。DEBQはVan Strien, Frijters, Bergers, Defares(1986)によって開発された食行動尺度で,情動的摂食,抑制的摂食,外発的摂食の3尺度で構成される。体格指数(BMI)を用い,BMIとDEBQ3尺度および性差との関連について検討した。調査対象は成人勤労者602人,平均年齢は32.9(SD7.48)歳青年期学生705人,平均年齢は174(SD1.56)歳であった。因子分析の結果,日本語版DEBQの下位尺度を構成する項目は,成人勤労者群においてオリジナルと完全に一致,青年期学生群においてはほぼ一致し,情動的摂食,抑制的摂食,外発的摂食の3尺度が確認された。DEBQ3尺度とBMIとの関連では,肥満の成人勤労者群は抑制的摂食,また,肥満の青年期学生群は抑制的摂食に加え,外発的摂食では尺度値が低いことを示した。成人勤労者群および青年期学生群のBMIとDEBQの性別比較では,BMIは男性の方が高く,外発的摂食,抑制的摂食,情動的摂食は女性の方が高かった。
著者
中村 登流
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.15, no.75, pp.201-213_1, 1960

1. このエナガの個体数調査は長野県下伊那郡上郷村天滝川河岸段丘崖での1956年2月から1959年8月までの観察である。<br>2. 個体数及び集合状態の季節的変動について整理した。<br>3. 個体数の季節的変動は6月中•下旬に最高値を示し,3月下旬に最低価を示した。<br>4. エナガの特殊な変動として一時に多数個体の急増急減があり,これは群単位で調査地域に対して出入しているからである。<br>5. 蕃殖期におけるエナガは2年間の記録において全年の最大個体数の30%以下が調査地域で蕃殖した。又蕃殖の成功率は70%前後であった。増加率は約140%と180%を示している。<br>6. 個体数の季節的変動の型は,1) 1~3月の年間最低値を示しながら変動の少い時期。2) 4~5月の一家族ずつ出現するため急増する時期。3) 6•7月の年間最高値を示す時期。4) 8~12月の全量は年間最高値に及ばないが,10羽代から30羽代の間を急減急増の変動をくりかえす時期から成っている。<br>7. 個体の集合状態の季節的変動は,1) 2~4月の番を組む時期,2) 5月の家族群をなす時期,3) 6•7月の大合同群を形成している時期,4) 8~10月の中•小合同群をなしている時期。5) 11~1月の冬季群の時期,というようにくりかえされる。この変動は地域的に見ると,番では全地域に個体が散在した状態であり,家族群の行動力がついて来ると,いちじるしく集結して個体の偏在した状態を示す。この偏在は中•小合同群として分解すると共に地域的にも分散の傾向へすすみ,冬季の行動圏を形成するに至る。<br>8. 集合状態の季節的変動の循環の中で,調査地域内の個体が他の地域とつながりを持っていることがあきらかであり,夏季における大合同群により,より大きな地域とより多くの仲間との生活を経験していることは注目に値する。<br>9. 調査地域における冬季群はこの約120km<sup>2</sup>の帯状地帯に,およそ1~2群を含み,全個体数が20羽以下位であるが,他の群が他地域から時々出現する。一方早く分出した群が姿を消すことがあり,内部の代謝が認められる。
著者
中村 登志哉
出版者
日本EU学会
雑誌
日本EU学会年報 (ISSN:18843123)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.29, pp.203-221, 2009 (Released:2011-12-01)

This paper analyses German foreign and security policy under the Merkel government, especially Germany's role and involvement in European security architectures. By comparing NATO out-of-area deployment of Bundeswehr, German forces, in EU and NATO operations, the study discusses challenges and dilemmas that Germany has faced in cooperating with these organizations. As Europe's own security policies such as Common Foreign and Security Policy (CFSP) and then European Security and Defence Policy (ESDP) have developed, Germany has been actively involved in operations in the framework of these policies. Germany has also participated in emerging EU operations; the Merkel government eventually led Operation EUFOR RD Congo in 2006. As European operations have evolved in the areas of peacekeeping and crisis management so far, Germany has not encountered dilemmas in dispatching armed forces overseas. It rather welcomed EU operations that have civilian character as German Basic Law sets a certain conditions in deploying its forces overseas. Because of this limitation, Germany is referred as ‘civilian power’ that has strategic culture of ‘anti-militarism’. Thus, Germany will actively support further evolution of the European security architecture with such a civilian character. On the contrary, Germany under the Merkel government has encountered dilemmas in dispatching forces to NATO operations. In particular, German behaviours in International Security Assistance Forces (ISAF) in Afghanistan have increasingly attracted criticism from other NATO member states after a failure in Operation Medusa in 2006. Since then, Germany has been under pressure of sending units to the southern area of Afghanistan that is considered to be more dangerous and of engaging in combat operations. So far, German government has expanded its military commitments in Afghanistan in a series of small steps. For example, Berlin has decided to dispatch Tornado jets to the south. Pressure for increasing presence of the German forces in the south has not halt, although Germany has avoided combat operations because of the Basic Law. While increased presence would highlight continued German engagement and thus mitigate criticism from NATO allies, it would prove unpopular among Germans who have registered significant public opposition to the Afghan campaign. Germany under the Merkel government confronts with the dilemmas between maintaining solidarity and credibility with the allies and managing domestic public opinion.
著者
中村 登流
出版者
山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.155-173, 1962-12
著者
門野 潤 浜田 信男 海江田 衛 石崎 直樹 中村 登 福枝 幹雄 大井 恭代 生駒 明 坂田 隆造
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.605-609, 2001-06-01
被引用文献数
6

症例は69歳の女性. 主訴は右季肋部痛, 発熱. US, CT, MRIで胆嚢底部を中心とした嚢胞状病変を伴った壁肥厚と体部の隆起性病変が認められた. ERCPでは総胆管結石と胆嚢管の途絶が認められた. 血管造影で胆嚢底部の濃染が認められたが, 胆嚢動脈のencasementなどは認められなかった. 以上より, 胆嚢壁肥厚は黄色肉芽腫性胆嚢炎と診断されたが, 胆嚢癌の併存も考えられた. 全層胆嚢摘出術を行い, 迅速組織診て胆嚢壁肥厚部は黄色肉芽腫性胆嚢炎, 乳頭状腫瘍は深達度mpの胆嚢癌と診断された. 胆嚢, 総胆管内に色素石が認められ, 黄色肉芽腫性胆嚢炎の誘因と考えられた. 永久標本の組織診でも同様の所見で, 黄色肉芽腫性胆嚢炎は癌腫に波及しておらず, おのおの独立して発生していた. 黄色肉芽腫性胆嚢炎の術前診断に腹部US, CT, MRIが有効であったが, 胆嚢癌との鑑別は困難であった. 黄色肉芽腫性胆嚢炎では常に胆嚢癌を念頭に置いた慎重な術式の選択が望まれる.