著者
朴 錫奉 田村 明弘 後藤 滋
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.260-269, 1993
参考文献数
17
被引用文献数
2

東京、横浜のオフィス(6社20フロア、1,792人)を対象に、室内環境測定、ワーカによる室内環境評価及びワーカの疲労感自覚症状調べを行い、主にオフィスワーカの音環境評価と疲労感との関連について分析した。室内の平均等価騒音レベルは55〜61dBAで、この数値が大きくなるほど、オフィスの室内のイメージが騒がしくなり、電話の音や声についての評価が否定的になった。また、オフィスにおける主な気になる騒音源は「電話の音や声」と考えられ、その評価が否定的になるほど疲労感訴え率が高くなり、両者の間に相関関係が認められた。数量化理論2類による分析では、特に疲労感自覚症状の注意集中の困難群に対して音環境評価の寄与率が高かった。