著者
杉原 彦一 野口 昌巳 藤井 禧雄 安堂 誠
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.275-281, 1965-08-25

振子式木材切削試験器を用いて、単一のチェンソー歯の木材切削性能試験を行なった。そこで、チェンソー歯の諸角度(上刃にげ角、側刃すくい角)を数段階に変化させ、さらにそれが切削所要エネルギーに与える影響をより詳細に知るために、切削用木材試片の樹種(オオナラ、ブナ、スギ、ヒノキ、アカマツ、ラワン)、含水状態(気乾状態、飽水状態)を、又その切酎方向(a、b、c;Fig.3参照)、切込量(0.2、0.4、0.6mm)をも数段階に変化させ、上述の諸角度の変化と組み合わせその交互作用をも検討した。実験データの分析にあたっ.ては、分散分析を行ない、その結果について検討した。実験の結果、チェンソー歯にあっては、切削所要エネルギーを最小にするという観点からすれば、上刃刃先角(角度の名称はFig.2を参照)が一般的な55°の場合、上刃にげ角は4〜5°(よって、上刃すくい角は31〜30°)、側刃すくい角は30°〜40°の角度を取ることが最も好ましいことがわかった。