著者
杉山 周平 大竹 孝平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.305, pp.77-82, 2008-11-12
参考文献数
8
被引用文献数
1

ブロック拡散CDMA(BS/CDMA)通信方式は,マルチパス環境下においても原理的にマルチユーザ干渉(MUI)を生じない有効な方式である.しかし,MUIのかわりに自局データブロック内での干渉,すなわち符号間干渉が生じるため,それを抑圧するMMSE検出器が報告されている.本論文では,このMMSE検出法より性能の向上を目標に,BS/CDMA信号の検出にEMアルゴリズム(EMA)を導入するときの能率的な方法を提案している.具体的には,本来符号間干渉を受けた観測受信データに対し,EMAでの完全データとして,受信データの各シンボル成分が分解されて得られるものとする.これにより,Mステップでの更新処理がシンボル毎独立に行うことができ,計算処理が軽減できる.シミュレーションの結果から提案法が従来のMMSE検出法よりBER性能について優れていることを示している.