著者
杉山 涼子 山田 秀
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.372-381, 2011 (Released:2012-01-17)
参考文献数
23
被引用文献数
1

エアゾール缶やコンロ用カセットボンベは,収集時や処理時に火災事故を起こしやすいが,事故発生状況と,分別排出方法や収集車両,穴あけ指導等の自治体の施策と関連づける研究は行われておらず,改善のための方策について十分に解析されていない。本研究では,全国の10万人以上の市および東京23区の287自治体を対象として質問紙調査を行い,火災事故の発生状況を把握しその改善策について定量的な分析を行った。平成21年度には人口10万人あたりの車両火災事故は1.5件,破砕施設の火災事故は0.7件発生しており,車両火災事故のほとんどは不燃ごみで発生し,エアゾール缶等による火災が52.5%を占めている。エアゾール缶等の不燃ごみとしての収集は避けること,不適正に排出された中身の残った缶を排除するような取り組みを行うこと,住民に対して分別を周知することが事故削減につながり,これらの条件を満たせば事故件数は減らせることが明らかになった。