著者
杉崎 篤史 東郷 利樹 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.97, no.612, pp.49-54, 1998-03-19

国際標準案のW-CDMAなどのDS-CDMAにおいて重要な送信電力制御の高精度化と制御情報の軽減を狙いとして、移動通信チャネルのフェージング状況に応じてセル内の移動局からの送信電力を適応的に制御する方式を提案する。提案方式では、希望信号電力対干渉電力比(SIR)の時間的変動を推定し、変動に応じて送信電力の変化ステップ幅を周期的に適応制御する。提案システムが送信電力制御誤差に与える影響を計算機シミュレーションにより評価し、送信電力制御誤差を改善できることを示す。さらに、通信チャネルの変動が十分小さい場合には送信電力制御の制御信号を送信しないことによって節約できた制御信号の空きビット部分をデータとして用いることにより、フェージング速度に応じて、データ伝送効率の劣化を改善できることを示す。