著者
河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.396-401, 2004-05-01
被引用文献数
12

Ultra Wideband(UWB)無線技術は,ワイドバンドCDMAによる第3世代移動通信システムIMT-2000やIEEE802, 11a, b, gの無線LANなどの広帯域無線に比べて,はるかに広帯域を用いることにより,マイクロ波帯の無線PAN (Personal Area Network)では超高速(100Mbit/s以上)伝送を実現し,ユビキタスでブロードバンドな無線アドホックネットワークをサービスすることができる.UWB技術は超高速伝送ばかりでなく,超高分解能な測距測位が実現できるため,今後の高度無線アクセスのコア技術として期待される.
著者
タィン・ヒェップ ファム フイ・ホアン グェン 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.340, pp.169-174, 2010-12-09

複数送受信アンテナを用いるMIMO(Multiple-Input,Multiple-Output)通信技術はプロードバンドワイヤレス実現の必須技術であると考えられている.今後,MIMOによる情報伝送のサービスエリア充実により,所定空間へのサービス充実が見込まれる.MIMOリレーアンテナをいかに活用し,MIMOの特徴である高速伝送と高信頼性な通信を維持した状態で,所定空間への中継機能を実現する研究が重要となる.各リレーノードにおける送信電力及び各ノード間の距離が変わることにより通信路容量が変わる.送信電力が固定した場合,ノード間の距離を最適し,高通信路容量を得ることができた.しかし,リレーノードを必ずしも所望の場所に設置できるのではないので,送信電力及び伝搬距離を同時に最適し,システムの通信路容量を検討する.
著者
杉本 千佳 河野 隆二
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.606-611, 2013-05-15

情報通信技術の医療への応用が進む中,体外や体表に装着する生体センサだけではなく,人体内に埋め込む,あるいは一時的に留置するインプラントセンサにより生体内外で無線通信ネットワークを構築し,低侵襲☆1に体内環境の監視や各種治療を行う技術の研究・開発が進められている.医療やヘルスケアに利用するこうした生体内外ネットワークは,人体特性を考慮した高い信頼性と安全性の確保が必要であるが,医療に新たなパラダイムを創生するものとして期待される.本稿では,これらを実現するための先端技術と最新研究開発動向について紹介する.
著者
福士 沙織 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.463, pp.1-5, 2008-01-21
被引用文献数
1

近年,高速なデータ伝送を実現する方法として,Multiple-Input Multiple-Output (MIMO)伝送が注目を集めている.しかしMIMO伝送では,受信側での回路規模が大幅に増大するため,移動体無線通信には好ましくない.受信側の回路規模を低減させるため,遅延検波とTHP(Tomlinson-Harashima Precoding)を併せて用いたMIMO伝送が提案されている.しかし,THPにおいてModulo演算により位相が回転するため,遅延検波を用いた場合,BER特性の劣化が著しい.そこで本稿では,遅延検波を用いたTHP-MIMOシステムに対し,THPによる位相回転の補正を組み合わせたプレコーディング方式を提案する.計算機シミュレーションを用いて,提案方式により,遅延検波を用いてもBER特性が劣化せず,通信路の時変動に対してロバストであることを示す.
著者
杉崎 篤史 東郷 利樹 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.97, no.612, pp.49-54, 1998-03-19

国際標準案のW-CDMAなどのDS-CDMAにおいて重要な送信電力制御の高精度化と制御情報の軽減を狙いとして、移動通信チャネルのフェージング状況に応じてセル内の移動局からの送信電力を適応的に制御する方式を提案する。提案方式では、希望信号電力対干渉電力比(SIR)の時間的変動を推定し、変動に応じて送信電力の変化ステップ幅を周期的に適応制御する。提案システムが送信電力制御誤差に与える影響を計算機シミュレーションにより評価し、送信電力制御誤差を改善できることを示す。さらに、通信チャネルの変動が十分小さい場合には送信電力制御の制御信号を送信しないことによって節約できた制御信号の空きビット部分をデータとして用いることにより、フェージング速度に応じて、データ伝送効率の劣化を改善できることを示す。
著者
タィン・ヒェップ ファム 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.19, pp.67-72, 2010-04-19

複数送受信アンテナを用いるMIMO(Multiple-Input, Multiple-Ouput)通信技術はブロードバンドワイヤレス実現の必須技術であると考えられている.今後,MIMOによる情報伝送のサービスエリア充実により,所定空間へのサービス充実が見込まれる.現在MIMO中継アンテナをいかに活用し,MIMOの特徴である高速伝送と高信頼性な通信を維持した状態で,所定空間への中継機能を実現する研究が重要となる.しかし,分散MIMO中継システムでの送受信を行う際,他の中継器からの干渉信号を受信し,信号対雑音比(SNR)が低下する.その結果,ビット誤り率が増加する.本論文ではビット誤り率を改善するため,増幅転送法の分散MIMO中継システムにおける各中継器の専有通信時間長について検討を行う.
著者
須藤 隆 田中 宏和 杉本 千佳 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.465, pp.91-96, 2013-02-28

近年予防医療のニーズが高まり,家庭向けの医療機器が普及してきており,ディジタル聴診器も登場してき1ている.本研究では,ウェアラブルデバイスに内蔵されたディジタル聴診器によってユーザの心音をいつでもどこでも採取することを目指している.この場合にディジタル聴診器による心音採取をすると,周囲からの環境雑音が入り混んだり,体の動きにより雑音が重畳したりすることが予想される.本研究では,こうした周囲環境雑音や体動に起因する突発的な非定常性雑音を1チャネルの聴診器信号から抑圧する方法を検討した.線形予測分析を用いて白色化された残差信号を非定常性雑音成分として推定し,残差信号のパワーと入力信号のパワーの比のよりスペクトルを補正する処理を加えた方式を提案した.結果,常に雑音スペクトルを更新するスペクトルサブトラクション法に比べて,平均SNROdB 以下の条件でスペクトル歪みを2.2dB,雑音抑圧量を3.4dB改善した.
著者
斎藤 秀俊 河野 隆二 今井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.93, no.234, pp.33-39, 1993-09-17

畳込み符号器を用いた多次元符号化変調の中で,カタストロフィックな符号器を選択した時に,自由ユークリッド距離d_free>が大きくなるものが存在することを示す.さらに,時変符号器を用いた多次元符号化変調の中で,補助情報を用いる方式を示す.この方式では,符号化部分のd_free>が時不変の符号器を用いたものより大きくなる特徴がある.この結果,補助情報の伝送を組合せた多次元符号化変調では,低SNで誤り率特性が良くなる.それ故に,符号器の持つカタストロフィック性を除去する等化器及び,記憶のある通信システムと組み合わせることで,有効な多次元符号化変調方式が実現できる.
著者
江島 一樹 梅林 健太 水谷 克也 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.28, pp.41-48, 2001-04-20
被引用文献数
16 5

新しい形のスペクトル拡散システムとして、Ultra Wide Bandwidth-Impulse Radio(UWB-IR)が高速無線通信方式として注目され始めている。ここでは、そのなかでもTH(Time Hopping)方式について注目し、その他局間干渉を低減するために、M-aryの考えを用いて多値化して、伝送速度を落すことなく他局間干渉が低減できる方式を提案する。この提案方式について計算機シミュレーションを行ない、E_b/N_oでBERを比較した所、BERが10^<-3>の時、3.125Mbpsで1ユーザの時約3dB、30ユーザの時約4dBの利得が得られた。
著者
河野 隆二 春山 真一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1112-1119, 2001-07-01
参考文献数
26
被引用文献数
24

異なる技術標準や多様な応用の無線システムが混在する状況が今後も続くものと予想され, この状況の問題点を解決し, 究極の無線通信へ近づくブレイクスルーとして, ソフトウェア無線(Software Defined Radio, Software Reconfigurable Radio)が期待されている。本論文では, 環境や応用目的に応じてソフトウェアの変更により通信システム機能を適応できるソフトウェア無線の必要性, 有効性を明確にし, 最近の国内外における研究開発動向を取りまとめるとともに, 実現において克服すべき問題とそのための要素技術を紹介する。 無線通信工学, ソフトウェア工学などの広範な学術領域にまたがる技術の粋を結集して達成できる新たな融合領域であり, 学術的な意義とともに産業界における新システム, サービスの創出へ寄与することが期待される。
著者
石橋 功至 落合 秀樹 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.305, pp.91-94, 2006-10-12
被引用文献数
1

近年,遅延ダイバーシティ(Delay Diversity)技術が再び注目を集めている.遅延ダイバーシティは送信信号を複数のアンテナから時間遅延させて送信することでダイバーシティ利得を得ることのできる非常にシンプルな送信ダイバーシティ技術である.一方,周波数分割多重(OFDM)と差動符号化振幅位相変調(DAPSK)の組み合わせは,高い周波数利用効率とシンプルな送受信回路系が実現できる技術として知られている.OFDMに遅延ダイバーシティ技術を用いた場合,各アンテナで与えられる時間遅延がガードインターバル長を超える必要性があり,周波数利用効率を著しく低下させてしまう.この問題を解決する手法としてOFDM変調信号を巡回させながら遅延させる巡回遅延ダイバーシティ(CDD)という技術が提案されている.本稿では,巡回遅延ダイバーシティを用いた符号化DAPSK変調方式を提案し,計算機シミュレーションを用いて,提案方式が任意の送信アンテナ本数分のダイバーシティ利得が得られることを示す。また,提案方式のパラメーターの最適化についても議論する.
著者
尾崎 眞 美代 賢吾 平井 正明 河野 隆二 鎗田 勝 佐久間 一郎
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.2-27, 2005-01-01

佐久間(司会) きょうは大変お忙しいところ,お集まりいただきましてありがとうございます.今回,お集まりいただきましたのは,日本医科器械学会という医科器械のメーカがかなり参加されている学会で,医科器械学という学会誌があるのですが,そこでの座談会ということで企画されまして,どんなテーマがいいだろうかということで話し合った結果,編集委員の中から「医療機器の情報セキュリティ」という問題があるだろうということで,これは器械をっくる立場で結構,今後,重要な問題になるだろうということで,現状,どういう問題があるかということ,それから技術的にはどんな可能性があるものが存在しているか,そのあたりを含めてざっくばらんに意見を交換する形で会員に有用な情報を与えたいというのが目的です.申し遅れましたが,私は今回,まとめ役を仰せつかりました東大の佐久間と申します.よろしくお願いいたします.
著者
松永 麻里 アサノ デービッド K 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

近年、情報の意味や内容に立ち入り、人間にとって必要な情報のみを送信しようとする知的通信が研究されている。知的通信において人間にとって重要な情報を重点的に誤りから保護することを知的誤り制御という。知的誤り制御において情報の重要な部分を重点的に誤りから保護するには、重要度に応じて誤り保護能力を変化させる方法が必要である。本稿では重要度によって誤り訂正能力の異なる畳込み符号を用いて符号化し、符号ごとに異なる信号点配置を当てはめることによって、重要度の情報なしに送信できる不均一誤り特性を持つ符号化変調法について述べる。
著者
松永 麻里 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

近年、情報の意味や内容に立ち入り、人間にとって必要な情報のみを送信しようとする知的通信が研究されている。知的通信において人間にとって重要な情報を重点的に誤りから保護することを知的誤り制御という。知的誤り制御において情報の重要な部分を重点的に誤りから保護するには、重要度に応じて誤り保護能力を変化させる方法が必要である。 これまでに重要度によって誤り訂正能力の異なる畳込み符号を用いることで重要度に応じた誤り保護を実現する不均一誤り保護符号を考案した。この方法では、復号側で符号化と異なる復号器で復号してしまう復号器選択誤りが起きることがある。本稿ではこの誤り率の上界式を導き、またこの誤りを減らす方法についても述べる。そして、計算機シミュレーションによりその性能を評価する。
著者
松永 麻里 アサノ デービッド K. 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.95, no.591, pp.37-42, 1996-03-19
被引用文献数
7

本稿では, 複数の誤り訂正能力の異なる畳込み符号を, 情報の重要度に応じて使い分けて符号化することによって, 重要な部分にはより多くの誤り保護をする符号化復号法を提案する. また, 同じ符号化率の1つの符号器で均一に誤り保護をした場合と比較した性能評価を行う.