著者
泉 完 杉本 亜里紗 丸居 篤 東 信行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_433-I_438, 2018 (Released:2019-12-05)
参考文献数
18

天然稚アユの河川遡上初期に合わせて当稚魚の臨界遊泳速度を青森県岩木川河口から約11kmにある芦野頭首工地点の現地で計測した.魚道地点の河川敷に小型の長方形断面水路(幅15cm・高さ15cm・長さ100cm)を設置し,水路には断面平均流速9~75cm/sの範囲で河川水を流し,体長5.9~9.9の稚魚を遊泳させた.計測中の水温は10.6~18.5℃で,推定された60分間臨界遊泳速度は,19~49cm/sであり,体長との間に正の相関が認められた.また,体長(BL)の倍数の速度で表すと,3.1~6.5BL/s,(平均4.8BL/s,標準偏差1.0)の速さとなった.計測時の水温の違いによる60分間臨界遊泳速度への影響は少ないと推察された.